第8話

文字数 749文字

☆8



 人間は弱いが強い。すぐに死ぬとも言えるし、生命力は強くしぶといとも言える。
 ポーンでしかない自分を他人や団体がかなりのコストをかけて「潰しにかかる」ことがあってもなんら不思議はない。
「まさか自分が被害に遭うとは思わなかった」のはよくあることだ。自分を中心に据えているから、そうなることもあるという逆説が生じる、または取るに足らないから狙われないだろうという思い込みは間違っている、さっきの話はそういうことでもある。



 それと関連して。一対一で向かい合っても、相手にもたくさんの人間関係があり、また自分側も同様に人間関係がある。一対一だとどうしてもその相手「自身」と向き合っていると思いがちになるが、相手がロール(役割)を、誰も観ていないのに演じている場合がある。または、それによるポジショントークをする人間も多い。
 演じると罪悪感が消える人間が多いからである。
 もっと厄介なのは自分は正義であると思い込んでいる場合と、それを前提に感情的に怒鳴るなどしてこちらのトークの論理を感情でぶち壊してうやむやにして、自分の正義を主張する輩である。盤上をちゃぶ台返しして、「なかったこと」にした上で、自分の思い込んだ正義を貫徹させて「勝った」と思い込ませる手合いだ。
 陳腐なのにとても厄介だ。

 ジャッジできる他者が介在しない場合、(おそらくは相手はそういう策略を巡らせているのだが)感情的になって話を聞かず自分の正義を主張して押し通してしまう人物がいる。そんな相手にはなにも通じない。論理も話も通じないし、正義だと主張しているから、例え殴ったところで通じないどころかこっちが悪人だという判定になってしまう。
 その具体例のいくつかは、僕の経験でこの文章に記す予定だ。
 さあ、まずはその一つ目から行ってみよう。


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