第21話 第三章 閉じられた物語

文字数 733文字

☆21 第三章 閉じられた物語



 ここ最近、手足の震えが酷くなることがあり、それは投薬を二十数年間続けているからで、減薬が始まったことをこのエッセイの最初に書いた。投薬のきっかけは複数要因にまたがる。今まで筆力が足りなかったから書けなかったが、今の筆力なら解きほぐしながら書くことが出来るのではないか、と思う。
 様々な出来事が絡み合ったまま進行し、投薬が開始され、一度目の入院をすることになった話は、あとで余裕があったら書きたい。

 入院しました、治りました、ではないのは、現在も投薬の対処療法で身体とこころを押さえつけていることからわかると思う。
 だが、僕が基本的に健全な社会生活を送れないのは、自殺未遂者だからであり、僕の時の流れとそこで起こったことを大雑把に見るために、自殺未遂をしたとときのことを語る必要がある。
 このこともまた、今まで一度もきちんと語ったことがない。あまりにたくさんの関わりのあったひとに迷惑がかかると思ったのもあるし、それ以前にこの話は〈封殺〉され、その後〈黙殺〉されて終わったという経緯もあるのだ。
 終わったことを蒸し返すな、と言うかもしれない。そりゃそうだろう、僕以外の人々に、都合が悪いし、僕が自分が自殺未遂なんて罪を背負っているのが世間にも知られたら、今まで以上に「扱いにくい存在」として、なんの仕事も出来なくなり、仕事も回ってこなくなる。
 この話を語るのもまた、勇気がいる。
 だが今回、その話も書こうと思う。

 一言で言うと僕は、同居していた女性に酷いレベルでドメスティックバイオレンスを受け続け、自ら死ぬことを選んだのだ。
 未遂に終わり、そして、その理由は隠蔽された。
 なにもなかったことにされた。

 これから、その話をしたいと思う。


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