第25話:首里城全焼とゴーンの日本脱出

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しかし、その後、社外に貸し出されていた一部の資料が被害を免れていた。その他、建物1階のコンクリートで覆われたサーバールームは、ほぼ、無傷だったことが判明し、デジタル化された原画などのデータについては欠損なく回収に成功したと発表された。

 9月9日に台風15号が千葉市付近に上陸し、同市中央区で57.5メートルの最大瞬間風速を観測するなど風が吹き荒れた。千葉県内で約2000本の電柱が損壊したほか、送電用の鉄塔2本が倒壊するなどし、最大約93万戸で停電が発生。

 停電の復旧に約2週間を要し、市民生活に大きな影響が出た。10月、東日本で台風大雨被害が相次いだ。台風19号は、12日に上陸し、土砂崩れなどで死者は90人を超えた。9月の台風15号では、千葉県で大規模停電が発生。

 10月の台風21号に伴う記録的な大雨では、各地で河川氾濫が発生した。更に、国内外からの寄付金は30億円を超え、税制上の優遇制度を適用する特例措置が取られた

 10月31日、那覇市の世界文化遺産・首里城跡に立つ首里城で火災が発生し正殿など主要部分が焼失。この事件に国民は、驚き、嘆いた。その後、警察は、現場周辺に設置されていた68台の防犯カメラ映像を精査し、警備員らを取り調べた結果、放火の可能性はないと断定。

 次に過失の有無・程度やその対象者の特定を進めた。出火元とみられる正殿の北東部から収集した配線など46点の証拠物を科学捜査研究所で鑑定。しかし、延長コードなど電気系統のショートか否か、火災の原因を具体的に特定する事は出来なかった。

 ここまで延焼が拡大したのは正殿にスプリンクラーがなかった事が原因。正殿はその用途や規模から消防法で設置義務の対象外となっていた。しかも、正殿は、旧国宝建造物を復元したものだった。

 そのため、那覇市建築審査会の同意を得たうえで、耐火性能、内装制限、防火区画といった建築基準法の適用除外とされていたのだ。そのため、最終的に、警察は「事件性なし」との判断を下さざるをえなかった。

 その後、再建に向けて全国から多額の募金が集まり改修工事を始めることになる。特別背任などの罪で起訴されてるカルロス・ゴーンがレバノンへ無断で出国したことが発覚した。

 彼は、プライベートジェットを用いてトルコのアタテュルク国際空港を経由し、機材を乗り換えレバノンの首都ベイルートにあるベイルート国際空港に日本時間の2019年12月31日午前6時30分過ぎに到着したという。

 レバノンの複数のメディアは「クリスマスディナーの音楽隊を装った民間警備会社のグループが、ゴーンの滞在先に入って楽器のケースに隠して連れ出した」「レバノンに到着して大統領と面会した」などと報じている。

 インデペンデント・アラビーヤによると、亡命は「軍事関連会社」が実行し2000万ドル「約22億円」以上の費用がかかった」と報じられた。ウォールストリート・ジャーナルによると、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」出身の男性ら2人の協力で実行されたと報道された。

 ゴーンは、音響機器運搬用の黒い箱の中に隠れて日本を出国したと、その後、明かされた。日本の出入国在留管理庁には、その出国記録が無い。レバノンのジュレイサティ国務大臣は、トルコから同国への入国時にはフランスのパスポートとレバノンの身分証明書を所持。

 そのため、正当に入国したとしており、同国政府関係者によると本名の名義、フランスの旅券を用いていたという。国土交通省大阪航空局関西空港事務所は、29日夜に関西国際空港を発ってイスタンブールに向かったプライベートジェットが1機あった。

 それを国土交通省大阪航空局関西空港事務所では、確認している。プライベートジェットの場合には、保安検査(航空機内に積み込む荷物の検査)の「法的な義務」はない。機長が、X線検査実施の必要性を判断する。

 関西国際空港関係者は、「ケースが大きくて照射装置に入りにくいため、X線検査を行わなかった」と証言し、ゴーンが大きな箱に入った状態で、X線による検査を受けないままプライベートジェットの機内に積み込まれ、正規の出国手続きを受けずに離陸した可能性が浮上している。
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