第２１話：企業の不祥事と昭二が帰国し仕事探し

　横浜市や八王子市などの成人式の会場では、同社の振袖などが届かず、数百人の新成人が晴れ着を着ることができない事態となった。そのうえ、電話の連絡もできず、社長の篠崎洋一郎の所在も掴めない事態になった。

　ある店舗が入居する商業施設の管理担当者によれば、１月６日までは通常通り営業していたが、１月７日に従業員が出社しなくなったという。同日の成人式のための着付け会場へ振袖を届けず無断で閉鎖した。

　そのため、「はれのひ」から購入またはレンタルで成人式での着付けを予約していた客が晴れ着を着られないという事態になった。東京商工リサーチが１月９日まで行った調査で、２０１６年９月期は、約３億６千万円の赤字、約３億２千万円の債務超過だったことが、明らかとなった。

　また、事件の約２か月前にフリマ・アプリ「メルカリ」および「フリル『現・楽天フリマ』」で振袖を大量に出品する者がおり、これが「はれのひ」の関係者による出品ではないかという疑念もあった。

　両社は関連を調査している。また、仮に「はれのひ」の関係者でなくても、規約で「法人の出品の禁止」が明文化されているため、両社とも出品を非公開とする措置に踏み切った。その後も被害者を支援する動きは広がった。

　１月１２日には、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣が、「リベンジ成人式」と称して運営資金はクラウドファンディングで賄った。そして、被害者に振袖を無償で貸し出し、２月４日に横浜港で開催される船上ディナーに招待することを発表し実施された。

　また同じ日には八王子市の美容師や呉服店主ら百人以上の有志による「八王子成人式プレゼント実行委員会」が、２月１２日にオリンパスホール八王子で被害者のために再度成人式を執り行うことを発表。

　４月２７日、住宅賃貸大手のレオパレス２１の物件において界壁施工不備が発覚し、同社は「全ての対象物件において確認調査を行なった上で、補修工事を行う」と発表した。

　５月２９日、テレビ東京の番組『日経スペシャル ガイアの夜明け』にて「違法建築疑惑のスクープ」として界壁の不備を映像を用いて報道。２０１８年４月２７日、次男の伊勢昭二が、数日後、日本に帰るとメールが、入った。

　５月１日、１４時、成田空港着で、片瀬江ノ島に向かうと連絡が入った。１６時過ぎに、電話が入り、伊勢知親夫妻が、到着予定時刻の前に改札で、待っていると、伊勢昭二が、久しぶりと言いながら，出てくると、母が、体調は、大丈夫かと抱きついて涙を見せた。

　両親にあると疲れたと一言、述べて、徒歩で５分で、マンションに着くと、凄いね、シーサイドマンションかよと驚いた。最上階の６回へ行き、１室をこの部屋を使えと言うと、申し訳ないと言い、家賃は、請求してと言った。

　そんなことより、元気で帰ってきて，良かったと母が、大喜びした。すると、離婚や銀行口座の振替の手続きを済ませたと述べた。父が、まず、時差もあるから，ゆっくり風呂には行って、休めと言うと悪いねと言い、風呂に入り、少しして床に入った。

　翌朝は、時差もあるせいか、１１時頃まで寝ていた。昼前に，起きてきて、顔を洗った。母が、トーストか、御飯かと聞くと御飯というので、卵焼きと味噌汁をつけて出した。すると味噌汁、懐かしいでも、うまいなと笑顔になった。

　食べ終わると、奥さんとは，正式に離婚して慰謝料を請求されず帰ってきたと伝えた。数日中に日本国籍を取りに行くと話した。お金は、日本を発ってからファンド「投資信託」を積み立て方式で買っていたので、自分一人、生きている分の資産は作ったと語った。

　父が思わず。いくらと聞くと、現在の価値で７５万ドル、日本円で８５００万円だと答えた。それを聞いて、母が、凄いねと言うと、日本と違って、アメリカの株は、数倍になっていると笑いながら言った。

　ちなみに、親父はと聞くので、１億２千万円と答えると、信じられないと言った。会社をかなり前に辞めたのに、どうしたのと聞くので、最初は、日本株、次、不動産ＥＴＦ、金ＥＴＦ、最近は、Ｓ＆Ｐ５００ＥＴＦと言うと完璧だと笑った。