第15話:江ノ島の海の見えるマンション賃貸契約

文字数 1,665文字

 しかし、いつの間にか、大人になったのねと、半分あきらめの境地になったようで、早く、孫の顔が見たいものだと、言い出した。この頃、老人ホームに入居した、夫、伊勢重義の体調が悪く寝たきりの状態になっていると知らされた。

 食欲も落ちて、ずいぶんやつれてきた。そして風が冷たくなった12月22日、老衰で、亡くなった。母が、葬儀は、家族層で構わないと言った。そのため総勢7人で東村山の小さな施設と葬儀を行い地元の菩提寺に埋葬された。

 2015年となった。母の伊勢茂子さんは、葬儀後、施設の女性達と仲良く生活を始めた。しかし、この年もテロ事件が続いた。2015年1月にパリで風刺週刊紙が国際テロ組織アルカイダに共鳴するイスラム過激派に襲撃された。

 それ以降、過激派組織「イスラム国」などによる大規模テロが各地で多発した。チュニスで3月に起きた博物館襲撃では、日本人観光客3人も犠牲になった。この頃、長男の伊勢和人から3月21日、土曜日、寺山智代さんと藤沢で結婚式を挙げると連絡が入った。

 その話を老人ホームの祖母に伝えると、喜んでくれ出席させてもらうよと笑顔で答えた。伊勢和人の結婚式は、盛大に行われ、祖母が、終始笑顔だったが、智代さんは妊娠5ヶ月だったと、その後、知った。

 2015年5月29日、朝、SPDR・SP500の気配値が26310円で出ていた。それを見て1500株を成り行き売り注文を出すと26330円で1500株売れた。6月1日の気配値が26340円で出ていた。

 その情報をパソコンで見て、1000株、成り行き売り注文すると、すべて売れ、税引き後利益合計5660万円となった。その結果2015年6月1日の投資残金が7000万円となった。

 そこで、伊勢夫妻が、東村山の実家を立て直すか、他の土地を買い建物を建てるか考え始めた。すると、奥さんの伊勢克美が、長男の伊勢和人が、住む、湘南も良いわねと言った。そこで、長男に電話すると素晴らしい所だと言った。

 もし、引っ越すなら良さそうな場所を案内してあげると言われ、6月7日土曜日、10時、大船駅で、待ち合わせた。伊勢知親夫妻が、和人の運転する車で、江ノ島の周辺を回った。すると、伊勢知親と奥さんが、完成をあげ海がきれいねと言った。

 2人だけで住むなら2LDKでしょと聞くと、そうねと母が答えた。片瀬江ノ島近くの不動産屋を数件、訪問するとVNマンションが良いと答えた。 築3年で、2LDKで4000万円と言われた。片瀬江ノ島駅まで徒歩5分と便利だと説明。

 賃貸なら家賃はと聞いた。築20年のVNマンションの最上階の2LDK62平米が、20万円で敷金、礼金,1ヶ月分ずつだと説明した。やはり高いねと言うと、湘南の海が一望できて小田急の終点。

 小田急ロマンスカー、急行にも座って新宿へ直行は便利だと説明した。8月31日、夕方、長男の伊勢和人から長男の誕生したと連絡が入った。すぐに、大船の病院に行くと大きな泣き声の男の子がいて、名前を伊勢隼人「いせはやと」と名付けたと言われた。

 奥さんの伊勢克美は、私もお婆ちゃんねと言い、でも可愛い子だねと、じっくりと顔を眺めていた。すると、彼女の目に、涙が浮かんでいるのが、解った。9月と10月、伊勢知親と克美さんは、伊勢和人の家をお土産を持って訪ねた。

 その時、孫の伊勢隼人の顔を見て、和人とは、あまり似てないと言い、むしろ、お母さん似かしらと、話した。そして、珈琲を入れて、お土産のケーキとを4人で分けて、美味しそうに食べた。

 そして、隼人に、君は、もう少ししてからねと言い、自分で笑っていた。その後、10月にはアンカラで自爆テロがあり、エジプトではロシア旅客機が爆破された。11月もベイルートの自爆テロに続き、パリで同時テロが発生し、130人が死亡。

 いずれも「イスラム国」が、犯行声明を出した。米国でも12月にカリフォルニア州で過激思想に染まった夫婦による銃乱射事件が起きた。パリ同時テロを受け、英仏がシリアのIS拠点への本格空爆に踏み切った。
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