第17話 余談:肖像画の謎

文字数 929文字

作者は最近どうしても気になって仕方ないことがあるんです。プリンツ・オイゲンの肖像画についてなんですが。
もう小説書けばいいんじゃないの…。次のお題が苦手な数字だからって日よらないで欲しいよね。
まあまあ…プリンツ・オイゲンの肖像画は幾つか残っているのですが、どれも似たようなような角度・表情なんですよね。
プリンツ・オイゲン後年の肖像: US public domain
…そうね。多分モデルの絵が一枚あって、どの画家も顔はそれを写して体と背景だけ描き直してるんじゃないの?だってさあ、少なくても脚と片目に流れ弾喰らってるんでしょ?
プリンツ・オイゲンの肖像: US public domain
そうですよねえ、何度か病気も患われたらしいですし。肖像画を描かれるのがお嫌いだったんでしょうかね?確かに楽しそうな雰囲気ではありませんけれど…
青年時代はあまりぱっとしない容貌だったらしいよ。“軟弱“で“放蕩”…まあゴシップ好きのオルレアン公妃の言うことだからな。当時の貴族にはよくあるように、末っ子だったから始めは聖職者になるべく育てられたらしい。父親は遠征続き、母親は宮廷に入り浸りで、引っ込み思案だったっていう証言の方が現実味があるよな。
文学・芸術を愛好して、館の建築につぎ込み、膨大な絵画コレクションを持っていらしたそうですが、わりとオタクだったということでしょうか…
まあオーストリア軍においてはカリスマ的人気があったみたいだから、肖像画は士気高揚のためにつくられたのかもしれないな。
あれだけの名声と地位を得ながら生涯独身で子供もいなかったので、いろいろと噂されたらしいですね。
やっかみや中傷も多いだろうからさ…オランダで卑猥な風刺画にもちょくちょく登場してるし。駐在時は派手に色漁りをしていたとも言われている。みんな気になって仕方ないのよね…作者含めて。
婚姻関係にはなかったものの、特に親しくしていた女性が知られていますね。二十年に渡り共に過ごしたと言われる“Eugene’s Egeria” ーエレオノーレ・バシヤニー=ストラットマン伯爵夫人。ハンガリーの社交では著名な婦人だったようですよ。
なんというか、多面的で屈折していて面白い人物だよな。肖像画とは大違いだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色