第14話 太陽と月に背く男②(今回は戦役の話ばっかり)

文字数 942文字

大トルコ戦争は、オスマン帝国と神聖同盟の争いだ。神聖同盟とは、神聖ローマ帝国、ポーランド・リトアニア共和国、ヴェネツィア共和国、後にロシアも加わった。
モハーチの戦い: US public domain
1683年の第二次ウィーン包囲を発端に、1699年のカルロヴィッツ条約で終結したことになっていますね。足掛け十六年、長かった…
オイゲンは数々の戦闘に参加している。モハーチの戦いで頭角を現し、ゼンタの戦いで指揮官に抜擢された。
ちょっ…そんな簡略でいいんですか。
戦記ものを書く訳じゃないからな…モハーチもゼンタも、それぞれの戦闘だけで一本小説になるくらいの大波乱だ。やってられるか。
本当に…オスマン側の人的経済的損害は計り知れないものでして…当時のバランスシート見るともう、泣くに泣けないです…
大トルコ戦争と並行して、大同盟戦争が始まる。これはフランスの領土拡大政策に対して神聖ローマ、ドイツ諸侯、オランダ、スペインが大同盟を結成して争ったものだ。この時なんと、サヴォイア公国は大同盟側に寝返った。
ルートヴィッヒ・ヴィルヘルムはライン戦線、オイゲンはイタリア戦線を指揮していたと言われます。大同盟戦争の遺恨が、スペイン継承戦争を導くのですね。
スペイン継承戦争の経緯は略するが、これもスペイン王位をブルボン家のものと主張するフランスと、対仏同盟の争いだった。結果として、対仏同盟の足並みの乱れがたたり、スペイン王位はブルボン家に移ったが、ルイ十四世のフランスは疲弊し切った。
オイゲンは、バイエルンを抱き込んでウィーンに迫ったフランス軍を撃退したり、サヴォイア公国の首都トリノをフランス軍から奪還したり、次から次へとよく体力と精神力が保つものです。
まだまだ終わらんぞ?墺土戦争ではセルビア方面で再びオスマン軍と対峙した。この時はオスマン軍がオーストリア軍に肉迫したが、オイゲンに突破された。オスマン帝国にとっては、まさに凶運のような男だな。
ベオグラード包囲戦: US public domain
そして四国同盟戦争、ポーランド継承戦争と…
そうだな。オイゲンは軍人としての名声を確立していくとともに、ハプスブルグ王朝と各国の政治にも関わらざるを得なくなっていく。次回はそんな話だ。まだ続くのか!?
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