第12話 “オスマン風”について〜ロクム付き
文字数 1,192文字
ロクムは澱粉を糖水で練ったものに、ナッツや香料を加えてから、固めてつくるお菓子です。今では英語圏でもポピュラーですよね…その名も“ターキッシュ・デライト”。もちもちした食感が美味しいです。チョコレートコーティングされているものもあります。
今回はちょっとだけそんな話です。よく知られているのは音楽ですね。モーツァルトの『ソナタ第十一番“トルコ行進曲付き“』、ベートーベンの『アテネの廃墟の行進曲』、ハイドンの『交響曲第百番軍隊』などは、メフテルの音楽から着想を得ているそうで。
…お茶どうぞ。あとは服装でしょうか。クシャックがサッシェとして取り入れられたことは話しましたが、“オスマン風”は一種のファッションスタイルでもありました。こちらはオスマン風衣装のバーデン=バーデン伯…
まあまあ。確かにバーデン=バーデン伯とオイゲン・フォン・サヴォイエンは帝国の仇敵ですが、ある意味一番よく帝国を知っていたのかもしれませんよ。モーツァルトの歌劇に『後宮からの誘拐』というのがあるでしょう。
そうですね。つまりヨーロッパから帝国に対する感情も微妙だったということでしょう。確かに領土を脅かす存在で、暴力的で蒙昧なステレオタイプもありますが、一方で未知の文化や精神性への憧れがあるという。ジレンマというかツンデレ(?)というか。