第23話 その頃南半球では

文字数 1,224文字

久しぶりに更新ですが、今回も寄り道……失敬、ゲストの方に来て戴きました!
こんにちは、『アップサイドダウン・ホライゾン』の佐久です。オスマン帝国とタスマニアって、規模から何から全然違うと思うんですけど。
作者の移り気は今に始まったことじゃないよ……現在はタスマニアと呼ばれてるけど、『アップサイドダウン』の頃は“ヴァン・ディエメン”と呼ばれていたの?
Van Diemen’s Landという呼び名は、17世紀半ばに上陸したアベル・タスマンの記述によるものです。実は1856年に公式名称はタスマニアに変わっています。
自由移民が増えてきて、治安上の理由からか、この頃には囚人の移送も廃止されました。ルカは最後の世代なんです。運が悪い……
でもそうでなければ、二人は出会えなかったわけだからね。ルカくんはマンチェスター出身で、マットさんはアイリッシュなんだっけ?
そう。オーストラリア本島で一番知られているブッシュ・レンジャーはネッド・ケリーだけど、タスマニアではマシュー・ブラディかな。マットのモデルって言っても、“紳士“って感じじゃないよね、マットは。


マシュー・ブラディ

https://en.wikipedia.org/wiki/Matthew_Brady

ミスターウィリアムズのモデルはウィリアム・カフェイという方ですね。モデルというか、経歴もそのまんまでは……


ウィリアム・カフェイ

https://en.wikipedia.org/wiki/William_Cuffay

ウィリアム・カフェイはもう少し歳が上なのかな。タスマニアの鮑漁は1860年代まで隆盛していたけど、それから衰退してしまったので、この年代設定らしい。
資源開発に産業の主流が移っていったからかな。ゴールドラッシュだよね。それから可愛い動物がたくさん!
人と動物の距離が近い土地柄なんだと思う。これから読んで下さる方には恐縮ですが、『オルカ使い』というのは作者の創作ではなくて、本当に存在したんです。NSW州にイーデン(Eden)という港町があるのだけれど、そこではシャチに追い込ませる鯨漁をしていたんだ。シャチを口笛で呼ぶことのできる人々がいたんだよ。
ジナさんの背景は“パラワ“ですが、“パラワ“というのはタスマニアの先住の人々のこと?
“パラワ“はアボリジナル・タスマニアンのうち最も大きなグループだけれど、全ての人々ではないんだ。タスマニアでは1820年代〜1830年代に、アボリジナルの人々と入植者たちとの大規模な衝突が起きて、これは“ブラック・ウォー“と呼ばれている。
なんと言うか、現代の国際関係や社会問題の縮図のようなところなんだね。
そうだと思う。まあ、世界地図では端っこだけどね。だから半端もんの吹き溜まりみたいになっちゃうのかもしれない。
……俺はそういうところも好きだけど。
そのアイコンも可愛いよね。タスマニアにもペンギンいるんだ。
どーも。機会が有ったらタスマニアにも来て下さいね!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色