第13話 部活と親の関係①
文字数 1,152文字
ああ、里佳ちゃん。ごめんごめん。
裏庭の掃き掃除をしていたからね。
今日は、どうしたの?
なんだか悲しそうな顔だけど。
そうなんです。
ちょっとお師匠さんの意見を伺いたくて。
そう、ちょっと箒をしまって来るからね。
(うんしょっと)
ああ、一体どうしたのかな?
中学校のソフトボールクラブのことなんです。
お師匠さん、私が今、町内会のソフトに入っているのは、知ってますよね?
ええ、ええ。
知ってますよ。拙僧が子どもの頃は人数も多くて、男女別のチームでした。
最近は男女混成で頑張ってますよね。
そうなんです。
でも、中学のクラブは、女子だけになって、男子は野球部に入る子が多いです。
で、私ももちろん中学でソフト部に入ろうと思っていたんだけど……。
あっ、それはお父さんもお母さんも、無理しなくていいよ、って言ってくれました。
高校受験で頑張ります!
それは良いとして、ですね……。
せっかくの女子ソフト部が、潰されそうなんですって。
ええっ?
あの中学校の女子ソフト部は結構昔から強くて、野球部の男たちが悔しがってましたよね?
そうなんですね。
男子の野球部も、部員が集まりにくくなったこともあって危ないみたいです。
でも、女子ソフト部の場合は、今の部員の親が、いちゃもんをつけてるみたいで……。
(もしかして、檀家のあの人かも
というのは、黙っておくとして、、)
そんなことで部活が潰れたりするんですか?
学校の中の組織でしょう?
お師匠さん、今や学校の部活は、風前の灯、ってやつなのよ……
強い部活は、練習が大変なのは当たり前。
それを親が嫌がるのね。やりたいのは私たち生徒なのに。
塾だのお手伝いだのも大事だけど、中学の部活は、中学時代にしか楽しめないのに。
ああ、そういうお話ですか。
これは難しいんですよ、実のところ。
しかも、これは大人の話かもしれないけど
学校の先生も部活が負担になっていて、それを減らしていく方向ですよね。
やっぱりそうなのね!
中学の優香先輩が言ってました。
せんこ、いや、先生がそもそも部活を守る気がない、って。
朝練やら試合、合宿などを一緒にこなすのは、教員も大変なんですよ。
しかも、自分が知らない競技とかを担当することも結構あるでしょうし。
更に、今はどの世界も超過勤務を避けなければいけない。
僧侶の世界は、夜中によく電話で起こされますがね。
里佳ちゃんのお母さんも、病院から電話が来たりするでしょう?
では里佳ちゃん。
これはいくつかの切り口が必要なんですが、
昔の少年漫画から、親と部活の関係をちょっと考えてみましょうか。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)