第14話 部活と親の関係②

文字数 1,213文字

昭和四十七年から七年間に渡って連載された『キャプテン』というマンガです。

知ってるかな? 知らないよね。

知りません。


あっ、でもなんか、お父さんがネットカフェで全巻読破! 

とか息巻いていたことがあったかも……

お父さんの世代は、アニメの再放送を何度も見ているくらいじゃないかな。


兎に角、人気があったよ。

野球部が、潰れちゃうお話なんですか?
活動の危機を迎えることはありますが、潰れはしませんね。

野球部全盛の時代ですし。

え?


じゃあ、どういう関係があるんでしょうか?

ある公立中学校の野球部が舞台で、

そこでの四世代分の「キャプテン」を順々に主人公として繰り広げられるお話だね。

正確には、初代主人公がキャプテンになる前から始まっているので、五世代、かな。

主人公が、小中高と進んだり、高校からプロ野球へ行く、とかじゃないんですね。

珍しい気がします。

そうでしょう。

今考えても、結構画期的な気がしますね。


で、最初の主人公は、「谷口タカオ」くんです。


なんか、かわいい♡
彼は、名門私立中学から、公立の中学に転校してくる。

この私立と公立は、全国大会の予選で戦うので、おそらく結構近いところにある。

ここの転校事情については、特に記載はないけど、

作中で描かれる谷口家はあまり裕福そうでないので、

お金の問題なんだろうね。

可哀想。


でもあれですね。そういうリアルなところ、面白そう。

お金の関係や時間がないこともあり、

谷口くんはその名門のユニフォームを着て、

公立野球部の練習に参加してしまうんだ。


そうすると、周りは……

あーっ、わかる、それ。

本人も決まりが悪いやつですよね。


それ、パターン的に谷口君は、そんなに野球は上手くない。でしょ?

その通り。流石、いろいろ物語をご存じの里佳ちゃん。


きっと実力者なら、転校させないように仕向けますしね、私学は。



え、でも……


そういう人が主人公?


魔法で、とか、生まれ変わって、とかじゃないですよね?

谷口君の凄いところは、ここから皆の誤解を現実に変えてしまうところ。

でもその手段は、もちろん猛練習と研究だ。

こんなにうまく行く訳ない、と読者は思いつつも、

そうだ、努力は必要なんだ! と思わせてくれる。

すごい!


で、親はどうなの?

野球なんかより、勉強しなさい! とか?

谷口君が勉強しているシーンも少しは出てくる。

この後、高校に受かっているし、

彼を慕う次のキャプテンは、その高校に落ちているので、

まずまず優秀だったと思われる。

ますます凄い!


しかも確かに、リアリティーがあるわね!!

そしてその谷口君のひたむきな思いに、ご両親が応えるんだ。


職人のお父さんが投球マシンを作って、神社の境内で猛特訓さ。

もう止めよう、といいたくなるくらいボロボロの息子。

でも、本人が続けてくれ、と頼むんだ。


谷口家は、こうやって子どものやりたいことに全面協力する。

そうやってキャプテンを任されるに至る。

参考:ちばあきお『キャプテン(1)~(15)』(集英社文庫 コミック版)



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登場人物紹介

作者投影。文章修行しているつもり。

本職は、寺院の副住職(跡継ぎ)。未婚。

全く似ていませんし、職業も勿論違います。

近所の女の子。里佳。

話し相手になってくれる優しい才女。

拙作「転校したとです。」の山田さんイメージです。

舞衣。里佳の従姉。医学科の学生さん。

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