第15話 部活と親の関係③

文字数 1,200文字

お師匠、わたし、タカオくんみたいな人、好き♡
やはりひたむきに努力するのは、いいですよね。
でも、続きがあるのよね?


今のじゃ、ただの良いハナシ。

やはり鋭いですね、里佳ちゃん。


谷口君のあと、丸井という子がキャプテンになる。

彼も努力家で、部活への入り浸り度は谷口君以上だね。

でも、面白いことに、丸井君の家庭は全く描かれない。

でもまあ、スポーツ漫画でしょ?

「MAJOR」は家庭も出てくるけど、プロ野球選手の家だし。

「タッチ」は家といっても、高校生の恋愛ものでしょ?

里佳ちゃん!


詳しすぎるぞ?



「MAJOR」はアニメで観たんです。


「タッチ」は……

舞衣お姉ちゃんに借りて読んだことがあるんです。

なるほど…
(やっぱり舞衣お姉ちゃんを出すと、副住職さんは面白い反応をするわね)


そしたらこのお話は、丸井君は関係ないんですね?

丸井キャプテン時代には猛練習をやって、

全国大会優勝校である例の名門私学に予選の決勝戦で勝つんだけど、

みんなボロボロでね。


全国大会は辞退しちゃうんだ。

こういうところは流石にあり得ない気がするけど、

感動を呼ぶよね。

で、次のキャプテンにもう交代かぁ。
丸井君の時代に新入生で入った近藤君。これがガタイの良いピッチャーでね。

キャラクターが面白いんだけど、身体能力や忍耐力があって、次の次にキャプテンになる。

この近藤君の親はしっかり描かれるよ。


でもその前のキャプテンのことを話しておかないとね。

イガラシ君というのだけど、谷口君時代の一年生で、彼はこの作品中では天才的な位置づけ。

頭もいいんだ。そういう人だから、当然丸井君の次を任される。

随分様変わりするんですね。
そうだね。

で、イガラシくんの親は出てこないけど、この年に一年生としてイガラシの弟、慎二が入部するんだ。


二人の家は食堂を経営していることになっている。

二人だけで早起きして、朝のトレーニングをやったりする。

親は放置というか、容認というか、そんな感じなんだろうね。



凄いじゃないですか!


谷口君より、イガラシ君の方がタイプかも?

確かに、そうかもしれませんね。


でもイガラシは、全国制覇の為、やはり部員に猛特訓を課す。

墨谷二中の野球部は今や入部希望者が殺到していて、大所帯なんだけど、

それとともに野球だけ、部活こそ命、みたいな子以外も増える。


イガラシ自身は成績も優秀らしいのだけど、なかなか全員はついてこれない。

なるほど。


お師匠さんが「キャプテン」を紹介してくださった理由が見えてきました。

す、鋭すぎますね、里佳ちゃんは。
つまりイガラシキャプテンの代には、

いくら強い野球部を作ろうとしても、それだけじゃダメだということになるのね?


そこに親、ですか。

あ、でも部活でしょ?

先生は??

そこも気になりますよね。


では教師の描かれ方も確認しましょうか。


ちょっと長くなりそうなので、お下がり持ってきますよ。

次回、少し脱線して、「『キャプテン』における教師の不思議」に迫ります。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

作者投影。文章修行しているつもり。

本職は、寺院の副住職(跡継ぎ)。未婚。

全く似ていませんし、職業も勿論違います。

近所の女の子。里佳。

話し相手になってくれる優しい才女。

拙作「転校したとです。」の山田さんイメージです。

舞衣。里佳の従姉。医学科の学生さん。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色