第19話 部活と親の関係⑦

文字数 1,189文字

それで結局、イガラシ時代、ついに墨谷二中は全国制覇を成し遂げる。

松尾君もしっかり試合にでてて、いい活躍をするよ。

松尾ママが文句を言いに来る場面は、その後は出てこない。

一件落着。


ではないのかしら、やっぱり?

次のキャプテンは、近藤君だ。

今まであまり話題にしてこなかったけど、彼は実力もあるけど幼い発想でね。

あまり人望がない、と言っていい。

でも、あのイガラシが躊躇なく次期キャプテンに任命しているようだから、

何か持っているんだろうね。

というと?
ここでのテーマは親との関係なので、深入りはしないけれど、

やはり野球部は更に入部希望者が殺到する。

で、まともな三年生である牧野君、彼が一年生の人数を絞るためのテストをするんだ。

一年生にとっては、ある意味チャンス!?
即戦力、もしくは厳しい練習に耐えられる子だけを入れたい牧野君。

イガラシ君の代の新入生にもいたんだけど、

塾とか習い事と両立させたい子は、牧野君にとっては要らない。


でもそう、これをチャンス、と捉える。

そういう一年生は凄いんだけど、ここでは近藤君だ。

どういうことでしょうか?
近藤君は、一年生の良いところを褒めて伸ばそうとする。

じっくり育てていこう、という心構えを見せるんだ。


それで牧野くんとも対立しそうになるんだけど、近藤君のキャラが良くてね、

結構丸く収まるんだよね。

面白いな。


谷口君の時代から、随分変わってきましたね。

ここでこのお話のテーマ。

親との関係なんだけど、近藤君のお父さんが野球経験者というのは話したよね。


で、どの時点からかははっきりしないんだけど、

近藤君はお父さんにかなり野球部のことでアドバイスをもらっているし、

試合になるとお父さんがマイクロバスを出して全員を連れていくような関りを持つんだ。


イガラシ時代までは、試合の後公共交通機関に乗っているシーンもあったんだけどね。

なんか、いいですね。


でもそうか、うちのソフトボールチームも、

有希ちゃんちとかの親が車を出して連れて行ってくれています。

地域のチームと学校の部活はちょっと性格が違いますが、

親が積極的に関わるようになっていった、という変化を

「キャプテン」は表現しているような気がするんですよね。

でも、顧問の先生はいないのね?
そこは不思議なんですが、公立の部活はそうだったんでしょうかね?

でも全国制覇した部活ですからねえ。

親が積極的に関わるのは、この流れだといい話に思えます。


でもうちのチームも、さっきの有希ちゃんの家とは全然違って、全く試合を観に来ないうちもありますね。

確か辞めちゃった萌恵ちゃんところは、親がもう大変で、という話をしていたような。

そうでしょうね。


特にお母さんが働いているおうちが増えていますから、

今までのように親の協力を各家庭から得られる、というのは難しい。


それに、墨谷二中も実はそうですが、全国制覇のために厳しい練習をしたい、という子ばかりではない。

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登場人物紹介

作者投影。文章修行しているつもり。

本職は、寺院の副住職(跡継ぎ)。未婚。

全く似ていませんし、職業も勿論違います。

近所の女の子。里佳。

話し相手になってくれる優しい才女。

拙作「転校したとです。」の山田さんイメージです。

舞衣。里佳の従姉。医学科の学生さん。

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