そして誰もいなくなった

文字数 948文字

……赤坂先輩のマンションは飲み会の場所から少し歩いた所にあった。
入り口のセキュリティオートロックを開けて赤坂先輩が俺たちを招き入れる。エレベータに分乗して先輩の部屋の階へと向かう。
二次会参加メンバーの顔ぶれを眺めつつ、俺は考えを巡らせていた。
果たしてこの中に「田所君」はいるのか?
みんなもミチルと一緒に推理してみよう!
(……少なくとも、この中には田所君はいないんだろう。いたら、これだけ酔っていてもクリちゃんが反応するはずだ)
(……もう、今夜はさっき決めた通りクリちゃんのガードに徹しよう)
って、さっきから俺はクリちゃんが反応とかクリちゃんのガードとか……何を言っとるのか。
そして通された赤坂先輩の部屋は豪華なものだった。
何LDKと言うのだろう?
アイランドキッチン。そしてダイニングから繋がった広いリビングにはホームシアターやオーディオのセットが並べられ、凝る人なのだろうか、壁や天井にまでステレオスピーカーが配置してある。ソファもデカいL字のソファを中央にして他にもいくつか。
奥の方へ続く廊下の先には他に何部屋かあるのだろう。
■赤坂邸 見取り図
(いいなーリッチだなあ)
そんなゴージャスな部屋の思い思いの場所にメンバーたちがそれぞれ陣取る。
早速本番が始まった。
女の子たちはヌギヌギし始め、男たちはモミモミするわ、ちゅっちゅするわ、ナメナメするわ。
あっはぁ~ん♪
俺はというと、寝てしまったクリちゃんを庇うように壁際のソファで寄り添って目の前の乱交を眺めるのみ……。
Zzzz...
すると、新入りで戸惑っていると思ったのか、シャンパングラスを手にした赤坂先輩が声を掛けてきた。
初めてだと乱れてるって驚くかもしれないけど、なあに、慣れたら病み付きだよ。
したことないだろう? こんな凄い体験。
はあ、まあ……。
じゃあボクも楽しませてもらうよ♪
そう言い置いて裸の群れの中に混じる赤坂先輩。
あっはあん、はああん×10
イクイク、イッちゃう×10
しばらくのハッスルタイムのあと、メンバーはそれぞれ連れ立って奥の部屋へと消えていき、一組、二組、三組……
そして、誰もいなくなった。
ふー。
あとは朝までか……。
……と、股間に温もりを感じる。
ミチル君……おっきくしてるぅ……
クリちゃんが俺をズボンの上からさすさすしていた……。
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登場人物紹介

石神佳純(いしがみ・かすみ)
通称:ジュン

大学三年生。
彼氏ナシ。しかし……?

城戸充(きど・みちる)
通称:ミチル

佳純と同じゼミに在籍するイケメンプレイボーイ。
彼女ナシ。しかし……?

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