ラブコール アゲイン
文字数 1,159文字
ジュ……
なによ！ 日本語わからないの？ か・け・て・く・る・なっつったでしょ！ もう寝るんだから！ っていうか、寝てるの！ もう、とっくに！
……頼むよ、少しだけでいいからさ。
（なんかすごい情けない声だな）
（声だけじゃなくて、言ってることも情けない……先っちょだけ、とか言いだしそう）
ね、ジュン……おねがいっ！
死ねっ！
うん、死ぬ。死ぬんだよ、俺。お前とヤんないと……
（うざっ……）
……死ねばいいじゃん。
嘘だろ……お前、俺が死ねばいいとか、本気で思ってんの？
（さすがにちょっとキツかったか）
（……罪悪感）
……いや、思ってないけど。
ミチル、なんかオカシーよ。それにこんな夜中に危ないでしょ。行けるわけないし。どうしてもっていうんなら、ミチルのほうがウチに来なよ。
ミチル、なんかオカシーよ。それにこんな夜中に危ないでしょ。行けるわけないし。どうしてもっていうんなら、ミチルのほうがウチに来なよ。
（あーあ。こういうの、ヤだったんだけどなー……押しに弱い女）
（で、夜中にやって来られて、明日は眠い目こすりながら講義を受けるのか）
いや、そこをなんとか……来てくれよ。
（えええええ？ なに!?）
（そこ、こだわるとこなの？ ヤリ目的じゃなくて？）
（お家になんかあんの？ サプライズパーティの飾りつけとかしちゃったの？）
（私、誕生日か何かだったかしら？）
（いや。いやいや。ないないない）
（それともえーと、セクフレ一周年記念とか？ ミチルって、そういうのお祝いするタイプだったけ？）
（大安とか仏滅とか、たまに年寄り臭いことを口にするとこはあるけど……記念日的な発言はついぞ耳にしたことはなかったような？）
（なんだろういったい？ 本格的におかしいな、このミチルは）
（眠たいのに変な謎解きとか仕掛けて来ないでほしい……じっちゃんの名にかけて）
ハッ……ハッ……ハッ……
（ん……？ 電話の向こうに何かおかしな気配）
（吐息のような音……）
（ていうか吐息だ、これ！）
（しかも、ミチルのじゃない……多分）
なあ～、ジュン。お願いっ！
ハッ……ンッ……アッ……ミチル……
だから、来てくれるならいいって言ってるでしょ。
ンッ、アンッ……アッ……アン……
出られないんだよ、俺。だから……
アアン、アア～ン！
（そりゃ……）
（……出られないだろうよ）
（うん。うんうん。そーだな、出られんわな）
（出し入れはしてんだろうけど）
（はい。やっとります。最中です）
アアンッ……ミチルッ、ミチルゥ～……
（コイツ、ヤリながら電話してきとります）
なあ……ジュン、お前の体で温めてほしいんだよ……
アアッ！ ミチルゥッ！ イクッ……イクッ……イクゥ～ン！
……温めてほしけりゃコンビニ行け！
馬鹿！ 死ね！ オタンコナス！
プッ……
よく、「冗談でも人に死ねとか言っちゃダメ」っていうじゃない？
でも、本気でそう思ったんなら……。
いいよね。
伝わるといいな、私の想い。
ケータイの電源は切って……と。
では、みなさん、おやすみなさ～い♪
