俺なりのやり方
文字数 863文字
というわけで、だ。
リトル・ソルジャーの会合はまずフツーに飲み屋で始まる。そこでのご乱交はナシだ
隣り合った同士で手マンとかぐらいはしているのかもしれないが。
ワイワイガヤガヤ。
（けっこーな人数があっちやこっちやでにぎやかだけど、基本、フツーの飲みだな……）
（この後、赤坂先輩の自宅へ移動しての二次会が本番だって佳純が言ってたしな）
（最初の飲み会はあくまでも新人を誘い込むためのソフトな集まり……）
（田所君とやらに接触するなら今のうちだ。見つけて連れ出しちゃえばミッションコンプリートってわけだ）
……だが、俺は困っていた。
ねえねえ、キミ、ウチのガッコー！？ おかしいな、こんなに美人なのに見たことないよ！
となり、いいかな……？
え、あの……ちょっと……
いいから、いいから、さぁさぁ、飲んだ、飲んだ！
肝心のクリちゃんは飲み会開始と同時に大量の男どもに囲まれてしまって大人気……。
俺は俺で……
城戸ク～ン、今日は見学？
このサークル入るつもりなの？
ねえ、アタシのこと知ってる……？
ちょっとどいて！ 私が城戸くんと喋るの！
はいはい、こっち来てぇ～！
クリちゃんに負けないぐらい超大量の女の子に囲まれて大人気。引き離されちまった。
（……これはヤバイ）
捜索も護衛も、どちらの任務も困難な状況に陥ってしまっていた。
しかも、遠目に見れば彼女、けっこー飲まされている。危ない。
しかも、遠目に見れば彼女、けっこー飲まされている。危ない。
（うーむ。どーすりゃいいんだ。こういうの苦手……）
（占いの弱点は、先のことは見通せるが、目の前の困難に対してはあまり役に立たない事なんだよな）
（佳純なら、なんか色々頭使って問題を解決しそうだけど……）
このまま手ぶらで帰ることになったら馬鹿にされそうで癪だ。
（よーし、いいだろう。俺が占いだけの男じゃないって所、見せてやろうじゃねえか！）
（俺には俺のやり方があるぜ！）
ねぇ～え～城戸クンは誰かお目当ての子がいたりするの？
いるよ。
！
！
！
！
明確な意思表示に周囲の女の子たちの目の色が変わった。皆、息をつめて俺の答えを待つ。俺は腹をくくって口を開いた。
……田所君って男の子、誰か知らない？
