きょーがくのしんそー(迫真)

文字数 1,486文字

おわっ!起きたの?
やっぱり興奮しちゃった? したかったのね?
えっ……いや、その……それは。
俺も男だ。
冷めた目で見ていたが、あんなのを見てれば当然大きくなる。
それはいいとして。
うーん。したかったかと言えば、全然そんなこと考えもしてなかった。
(てか、ヤリサーといっても知らない人たちだよ? 友達でも恋人でもない人とどーしてそんな?)
血が騒いじゃった?
別に、そういうわけじゃ……ただ、その、男だからそこがそーなるのは当然というか……。
(勃っちゃうのは、裸の女がそこにいるから。それだけのことなんだよな)
(でも、女の子にはそーいうの、わかんないかもね)
クリちゃんは俺の答えがお気に召したのか、召さなかったのか。ちょっと複雑そうな顔をして首をかしげた。そして、再び顔つきを戻す。誘うような、ちょっとエッチな雰囲気に。
ねぇ……私、男の人の……見たいかもぉ。
ちょっと、ちょっとちょっと! クリちゃん、待って! 俺だよ、ミチルだよ! 田所君じゃないんだよ!
田所君なんていないんだもぉん。
そう、田所君はいないんだよ!
最初からいないんだもぉん。
そう、最初からいなかったんだよ!
……ん?
(なんかオカシクね?)
だからぁ……そんな人……最初からいなかったの。
えっ……。
(どーゆーこと?)
ミチル君と……してみたかったの(さすさす)
ええ? うええええ?
酔ったフリして、二人きりになるのを待ってたのよ……ねぇ、ミチル君……して……。
えええっ……て、佳純は? 佳純は知ってんの?
そんなわけないでしょう。だって、相談自体が作り話なんだもの。
ミチル君のこと聞いて、興味を持っただけなんだ。
ふふっ……いいのよ、私はただのオトモダチで……。
「オトモダチ」という言葉を意味ありげな目つきで口にするクリちゃん。
(ええええええええええええええ?)
大丈夫……佳純には黙っておいてあげるから……。
(ちょっ……ハメられないようガードしてるつもりで、実は罠にハメられてたのって俺?)
(ハメられて、ハメられそーになってるっていうか、ハメて欲しがられてるっていうか! うえええ? わかわからん!)
予想外の状況に軽くパニックだ。
しかし、おかまいなしに、クリちゃんの指はジッパーを降ろし、俺の中へ……
あ、うっ!
すごぉい……こんなふうなんだ……。
……って、クリちゃん、初めてなの?
そうよ……だから私の初めて……貰ってくれる?
101人目のオトモダチに、してくれる?
間違いない。彼女の言うオトモダチ……それは「佐藤クリスちゃん」とお友達になるという意味ではない。
彼女が俺にお友達になって欲しいのは、クリスちゃんのクリちゃん……。
そう。そっちの方の意味の……。
クリちゃんのことかーーーーー!!!!
(って、それって……処女の子がそんな大胆なこと言う? 友達を裏切ってまで……)
(あっ、今度のこの友達っていうのは、普通の意味での友達であって、SFという意味のオトモダチではないのであって……!)
(……佳純は俺のSLで、あと、百人うんぬんてのは、俺なりの運命の女探しっていうか、けっして軽い気持ちでのことではなかったのであって。城戸充=ヤリチンなんて思わないで欲しいっていうか……てか、アイツ、やっぱりバラしてやがったのか! なんで女ってペラペラ話しちゃうかな、そーゆーこと! 誤解されるだろ! いやいやいや、今はそんなこと考えてる場合じゃ……)
(あっ、そこっ、気持ちイイッ……)
って、うあああああああ、頭が混乱する!)
何がどうなってんだ? どーすりゃいいんだ? 落ち着け俺。状況を整理しろ。
状況その1
よくわからん。
ダメだーーーーー!
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登場人物紹介

石神佳純(いしがみ・かすみ)
通称:ジュン

大学三年生。
彼氏ナシ。しかし……?

城戸充(きど・みちる)
通称:ミチル

佳純と同じゼミに在籍するイケメンプレイボーイ。
彼女ナシ。しかし……?

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