あなたが一番愛しているのは私

ミチルのミステリーツアー

エピソードの総文字数=1,247文字

さて、お昼も食べたし、歯も磨いたし!
ミチルの様子でも見てやるかな。
講義中はケータイ切ってたしね。
普段は電源まで切らないんだけど、今日は嫌な予感がしましてね。
……お判りいただけるかと思いますが。
午後からは予定ないから、ミチルがどうしてもって言うんなら、まあ……つきあってやってもいいかな。
昨夜のことは確かに頭に来たけれど、あれだけ必死なのを見せられるとねぇ。
正直、ミチルの「ヤリたいオーラ」に当てられて、ちょっと体が疼いてしまってもいるのよね。
ま、ひさびさだし。
水に流して甘えさせてやろうかねえ。ウッフッフ。
ごめ、いけなくなった
12:12
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!
待て待て待て待てーい!
ふざけんな!
いや、私も無視こいてて悪かったかもだけどさ。
ええ?
あんなに必死だったのに、なに? 
でも、夜いくから待っててね(((^_^
12:13
絶対いくから
12:13
電話して
12:13
20分前か。
一体何が起きたの?
くっ……電話するしか。
もしもし、ミチル!
……あ、ジュン?
(相変わらず緊張感のないヘラッとした声……に、聞こえる)
ちょっと、なんなのよ!
あー、ごめんね。昨日、遅くに電話かけちゃって。
(いや、遅くにっていうか、頭に来たのはそれだけじゃないんだが……
バレてないと思っているのか)
(ぬーん)
(……まあいいや。今は事情を説明させることを優先しよう)
昨日からおかしいよ。何かあったの?
う……か……とね
(ん? なんか音声が途切れる。電波弱い所にいるのかな?)
……てて……いだに行くから
え? 何? 聴こえないよ? よく聴こえないよ~。お~い!
ぃ……動中
(移動中? 車運転してるのかな。だったら電話はマズイかな……?)
……ら、おけ。もしもし。もう大丈夫。ふう。
(さっきまでより大分ましな音声になったわ……まだ少しクリアではないけれど)
もしもし? 車?
いや、車じゃないよ。新幹線。
は? 新幹線? 何やってるの?
(どこか遠い所へ向かっているということ?)
今、アイダまで移動してて。
アイダ?
(どこの駅よ?)
あー。ほら、車両と車両の。
(ああ、その「間」ね)
(って、要らんわ、そんな情報!)
ああそう。それでどうしたのよ?
うーんと……
何かあったの?
あ、う~。
……うん。何かはあったんだけど、その……
(ええい、要領を得ないなあ)
(何か言いにくいことらしい。でも音声が聞き取りにくいのもあって、余計イライラする……)
(会話の方針を変更するか)
ねえ……夜は私の家に来るの?
あ、うん。
いい?
いいけど、何時?
12時前には必ず!
お前はシンデレラか! 
(あたしゃ~残業の旦那の帰りを待つ新婚の奥さんみたいに一人で冷めたごはんの載ったテーブルで座っとるんかい!)
遅すぎでしょー! 何なのよ一体!
いや、ホントごめん!
でも絶対行くから……あ、すいません。すいません!
(最後のはどうも電話の向こうで誰かに謝っているらしい……)
ごめん、もう到着する。
改札出るまで……ケータイはそのままで。
《きょおと~きょおと~》
(は? 京都? どこまで行ってんだ?)

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