第5話 その直感は論理に繋がるか?

文字数 970文字

 定年延長を終える直前になって、あと1年現在の仕事を続けてくれないかと直属の上司に依頼された。その時に思い浮かんだのは、1回定年延長も終了して退職が決まったのに変更もあるという会社の論理に振り回されてはいけないという直感だった。だが、此処でちょつと待てその直感は果たして論理に繋がるのか?と言う思いがよぎった。しかし、今回は「もうやめとけ」と言う直感が論理に打ち勝つた。
 論理的には、あと1年会社の仕事をして会社から得られる収入は貴重だし、定年延長が終了した後でもまだ会社に残って仕事をしてくれという会社にも感謝すべきである。そして、私のような我が強くてわがままな人間が40年以上同じ会社で勤務できたのは、仕事をある程度迄は個人の裁量に任せてくれる会社だからこそ40年も働く事が出来たのだ思っている。さらに、まだ決めてないこれから始める新しい何かは成功するとは限らない、あと1年会社で今の仕事を続ける方がリスクも少ないと考えるのが論理的だ。
 しかし、論理的にはプラスにはならなくてもこれからの1年は自分のやりたい事を探してスタートさせたいという思いの方が強かった。今まで勤務した会社は自分には合っていると思っていたが、それでも何回も会社を辞めてやろうと思った事はあった。それでも私は、一時の感情で会社を辞めて収入がなくなると言うリスクはおかさなかったしそうする勇気もなかった。自分でも我慢するところは我慢して定年延長が終了する65歳まで勤めあげたのだ。もう我慢する必要はない。私のように3月で65歳の年齢になると、これからの1年は今まで以上に大切になってくるのだ。
 今回のケースでは直感が論理に繋がるか?考えた結果、直感に従った判断を選んだが他にも日常生活で物事を判断をする時に、直感に頼るだけでなくその直感が論理に繋がっているか?を確認してひと呼吸おいてから行動する事が大切だ。
 そして、直感が論理に繋がるか考えてもどうしていいのか決まらない場合もある。その時には少し大げさにはなるが自分の心の中での自分なりの真理に照らしてその判断は正しいのか?正しくないのか?を自分に問う。自分が考える真理に忠実であるかどうかが行動を決める基準になるのが重要だ。

参考文献
経営の知的思考
「直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍」著者 伊丹敬之 東洋経済新報社
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