第14話 私がなりたいリーダーとは?

文字数 1,117文字

 フレデリック・ラルーは組織の進化した形である「ティール組織」は時代環境の変化に合わせて生命をもった生き物のように変化して進化すると述べている。そして組織の進化に伴ってリーダーの形も進化していく。「ティール組織」では社長による現場への徹底的な権限移譲とチームによる自主的運営が行われていて、チームの中ではリーダーも存在しない。それぞれのメンバーが助け合いながら自分の役割を果たしてチームの自主的な目標を達成している。さらに目標を達成すれば次の目標もチームのメンバー全員で決めていく。それでは、組織の長である社長の役割は何かというと、組織の存在意義・パーパスを明確にして、チームのメンバーと目的を共有する事である。そして対外的なスポークスマンとして組織の存在意義や現状を発表する役割を持つ。
 このように社会では新しいリーダーの形が誕生していても、まだ多くの人はリーダーというと権力を持って組織の人を自分の思う通リに従わせる旧来型リーダー像を思い浮かべる。その為、会社員であれば平社員よりも多くの権限が与えられる係長、そして課長や部長になりたいと思う。さらに部長になっても偉くなりたいという欲望は消える事はない。最終的には会社の取締役を経験してチャンスがあれば社長の座にも就きたいと思うようになる。
 だが社長やリーダーになる事が本当に魅力ある事なのだろうか?いろいろな変遷を経て社会は現在の形になった。権力によって人を従わさせるリーダーでは、現在のスピード感を持って多くの課題を解決しなければならない事に対応出来なくなっている。ピラミッド型の組織ではトップにいくまで時間がかかり判断が遅れる場合が多いからである。
 大きな地球の存在に比べれば、人間の存在など小さくて、社長も一般社員も違いがわからないほど小さい存在である。それを理解しないで役職にばかり固執している人間にはリーダーになる資格はないし、仮になったとしてもリーダーとしての責務は果たせない。「定年で会社を辞めて役職がなくなるとただの人」とは良く言われる事だ。
 私がなりたいリーダー像とは、組織がどうしたらうまくいくか?を第一に考えて実行出来る人である。その為には個人の意志を尊重しチームのメンバーをやる気にさせる事が必要だ。誰が一番偉いかは重要な事ではない。個人的にはリーダー格の参謀が理想である。
 さらにリーダーには組織の存在意義・パーパスをメンバーに共有してもらう事も大切だ。又、組織の基本理念は変えてはいけないものだが、存在意義は社会の発展、環境の変化に柔軟に対応して変わっていかなければならない。これからは、柔軟な姿勢を持って自らも変わっていけるリーダーが必要である。

 
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