第12話 何をしなくてよいかが大事

文字数 852文字

 人は「次に何をするか?」を考える事が多い。そして、本来であれば「しなくても良い事に挑戦して、本来しなければならない事」がおろそかになってしまう人がいる。そうならない為には優先順位としてまずは「何をしなくてよいか?何をしてはいけないか?」を考える事の方が大切である。
 たとえば、ある会社の部門長になった人がいて取引先との会議に出て、自分の部門長としての仕事をアピールして自分はどれだけすごいのかを得意げに話す人がいる。又、営業部の社員で取引先に対して自社製品がどれだけ優れているか得意げに説明する営業マンがいる。だが、どちらも相手の会社の人にとってはプラスになる話しではなく迷惑でしかない。その為、打ち合わせの為に取った時間が無駄だと考え始めてしきりに時計を気にし出したりする。
 相手の会社の人にとって、その人の部門長としての会社の仕事はどうでもよいのである。逆に部門長としての自分をアピールする話しをしている人に対して、こんな人が部門長の会社は大丈夫なのかと不信感を持つ事にもなる。そして営業マンが自社製品を良く言うのは当たり前の事であり、あまり売り込みが強いと聞いている相手は不快になる。どちらも相手側の気持ちがわからない人達である。
 大切な事は部門長であるならばまずは会社のパーパス、存在意義を相手の会社の人に語るべきである。そしてその存在意義に共感してもらって協力者になってもらうのが重要である。今の時代は単に会社の製品の良さをPRするだけでは駄目である。会社の存在意義がまずは最初にあって、製品や商品はその存在意義に繋がって生み出されている事が大切である。そして、外部の人に会社のファンや支持者になってもらう事が重要である。
 しなくてもよい部門長としての自分の仕事の自慢話をしている人は対外的だけでなく、社内からも嫌われる。そして部下もその人から離れていくのである。何をするべきかを考えるのも大事だが、逆に何をしなくて良いのか?何をしてはいけないのか?を考えて優先させて行動する事も必要である。
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