第9話 英語

文字数 915文字

 文法や単語。日本語とは流れが違うから、違和感を感じてしまうけど、それもそれで新鮮なものは感じる。ただ、発音だとかイントネーションは、日本人からは、教わりたくないな。ネイティブでもない人が、なんであんなにも、はち切れんばかりに、ピチピチとはりきって、教えてるのかが、わたしには理解できない。

先生も先生で
生徒に影でこんなことを
思われていて、気の毒ね。

 あ、英語って、たとえば「Like」という単語のなかで形容詞として使うか、動詞として使うか、前置詞として使うかでも、意味合いが違ってくるのは、なんだか面白いところ。日本語でこんなに意味合いが違ったり、機能を持っている単語あるかな?分からないけど。カルチャーショックって、良い意味でも、あるんだろうね。

 月曜日がMondayって
 これだけでも人間の多様性を
 剣で突き刺されたぐらい
 強く感じる。
 
 あいうえお。いろはにほへと。
 ABCDEFG
 文字の1つ1つが絵に見えてくる。
 文字って、なんだ?
 気が狂いそう。

 それにしても、うちのクラスの男子はまだまだイモっぽいわ。potato.イモっぽいのも、悪くないけど、イモならイモなりに、おいしいポテトチップスになればいいのよ。マックのポテトになれたなら、世界的で素晴らしいポテト。

 まあ、食べ過ぎると、体に悪いけど。

 ふん、イモのくせに、カッコウつけたり、コントロールしようとするから、ああいう態度が、女子に幻滅されちゃうのよ。ホント、あほ。

 せめてもの
 やさしさや気遣いがあれば
 まだ可愛げがあるんだけど。

 ただ……違うクラスに、一人、カッコいい男子がいるの。立ち振舞いもなんだか素敵。まだ名前は知らないけど、きっと、あの人こそ、生まれながらのイケメン。

 あの人の罵詈雑言(ばりぞうごん)なら
 わたしが全部、食べちゃうんだから。

 まあ、わたしのような女子じゃ、釣り合わない。
縁は無さそうね。そして、たとえ付き合えたとしても、嬉しすぎて、わたし、死んじゃう。付き合ったあとに、あまりにも幸福過ぎて、帳尻(ちょうじり)を合わせるように、不幸が訪れちゃいそう。あの人と付き合う、これ以上のハッピーな妄想は、二度と神様に、与えられないかも。


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