第5話 体育

文字数 925文字

 膝を曲げ腰を落とし、肩幅より少し両足を広げて、ややかかとを上げる、その時に猫背にならないように……ふあぇ、何やってるのだろう、わたし。バレーボールを気付いたら、バカまじめにやってる……レシーブ?わたしの場合だと、みつきちゃんやことねちゃんとの会話での返答。おもしろおかしいレシーブがしたい。

 う~ん、バレーボールのレシーブは、要は次にどう繋げるかってことでしょ?基本姿勢のようなものは、確かに必要で大事なことではあると思うけれど、それを意識しすぎちゃうのも、毒ね。

会話でも定型文だとツマラナイわけだし。

 これは、スポーツ全般やもしかしたらどのジャンルにもある、共通項まで言わなくても、ニアリーイコールな内容かも。

 たとえばラジオ体操があるけれど、しっかり本気でやれば素晴らしい効果があり、理にかなっている体操ではあると思う、けど、体操の全てでも無い、とも思う。

ラジオ体操の体操は
学校の教科書みたいなもので
ある範囲までは
有用だけど
万能って、わけでもない。

 やっぱりその日にあったコンディションや状態があるわけだし、それこそ体質や個性は人それぞれで、まさにダイバーシティも叫ばれてる時代なわけだから、どちらかというと、おもいっきり自分と会話し、どんどん自分に聞いて、めちゃくちゃ意識的に自分で伸ばしたい筋肉を伸ばして、ほぐしていく、いわば独自の即興体操

アドリブの体操を
取り入れるべきで
こういった自発的なアプローチを
知らせ、提供するのも
教育だと思うの。

 ああもう、ああ!こうなったら、柄にも無いけど、何事も全力!……、どんなサーブやスパイクでも、レシーブするんだから!どんなボールもかかってこい!!



「どうしたの?ゆのん、目が」
「目?何、ことね」
「いや、いつもより、ゆのん……燃えてる……」
「ことね!足動いてないよ、集中して!」
「は、はい!ゆのんさん!」

 よし
 ボールの落下地点に入って……!?
 きゃあ

「だ、だいじょうぶ?ゆのん」
「だい……大丈夫、ありがとう……心配ご無用!さ、ことね、もっと早くて強いのちょうだい」
「ゆのん……、らしくないわよ」
「いいから……ことね!早くて強いの!!」
「わ、分かったわよ!……いくよ、ことねサンダーボンバーアタック!!」 
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