第2話 たわいない

文字数 1,180文字



「ゆのんは、いつもぽんやりしてるね」
「みつきちゃん、それを言うならぼんやりじゃないの?」
「いや、ゆのんの場合は、ぽんやりなの」
「じゃあ、みつきちゃんは……いつもかわいすぎ」
「はははっ!何よそれ、ゆのんウケる」
「良かった、みつきちゃんに、ウケたみたいで。今日の朝は、とうとう学校休もうかと思うくらいだったから」
「うわ、ゆのん、ズル休みする気だったんだ」
「そう。そのままズルズルしようと思ったり」
「はははっ!今日の、ゆのんも、いとをかし」
「みつきちゃんも、いとをかし。おかしは、さすがに学校に持ってきてません」
「うわ、さむっ」



 あじゃぱ。清らかで麗らかな朝なのに、隣の席になったみつきちゃんと話す会話は、まだまだ表面的な会話ばかり。この空気感も好きだけど……まあ、違う小学校だったし、まだ出会ってから、2ヶ月しか経ってないから仕方ないか。

 YouTubeの話もピンキリでなんかカオスだし、芸能系の話も正直言って、今はあまり興味ない。何かしらネットワークで繋がれた世界だから、軽んじるようなことは、決して言えないけれど、最近種明かしというか、裏事情が暴かれ出して、枕営業だとか利権とか関わり過ぎかな。出来レースでしょ?芸能界という檻(おり)に、一度入ったら、帰ってこれない。むしろ、芸能界から、ほされた方が良くて、忘れられた方が、しあわせな人生拓けるかも。いずれにせよ、マーケット狭く感じるのは、気のせいかな。芸の陰陽があるとしたら、本来は、陽が芸能で、陰が芸術のハズ。

 あ、政治界は、今の芸能界に似ていて、陰の支配者が強すぎて、国民の声なんて、聞こえているわけがない。政治家は代用が利く大根役者に成り下がってる。お金の使い道として、今後人類が生き残るうえで、どうみたって環境問題やエネルギー問題を最優先にすべき。このままじゃ、地球まるごと喰い潰して終わり。

 映画は表現の一つだからあって良いと思うけど、演技が上手い人だけじゃなくて、下手な人の方が、実は、良い人じゃないかと思ったりするし、う~ん、わたしが観たいと思うのは、漫画やアニメよ、漫画やアニメ。漫画やアニメはただ純粋に没入できるわ。カラオケでも歌われているあの人気曲じゃないけど、漫画やアニメは現代における神話よ。

 今読んでる本は何冊かあるけど、どうやら、それぞれのワードにはワードの由来や歴史があるみたい。本一冊を本当の本当に理解して読書するのは、気の遠くなるほどの情報が必要だろうし、体験や経験も必要みたい、あ、先生が来た。

「ゆのん、川瀬先生のうしろ髪今日もたってない?」
「ふふっ、あんまり大きな声で喋ると聞こえちゃうよ」
「だって、ひょこんとしてる」
「ほらほら、もう、朝の会だから。みつき、前向いて」
「くくっ」
「ほれっ、みつき」

 ざわついた教室が静かになる瞬間だけ、なんだか、はじまりかけた舞台みたい。
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