第11話 美術

文字数 910文字

 人間は欲深い生きもの。人間以外の生きものを殺して、食べて生きている。そのうえ戦争までも引き起こしながら、のうのうと自由自在だとか言いながら生きている、どうしようもない生きもの。

 人間は決して
 綺麗に生きることができない。
 堂々としたところで
 ちっぽけで
 大気のへその緒に繋がっている
 胎児のよう。
 ホントのホントに
 やさしい地球や太陽の女神に
 手取り足取り育てられているとしか
 考えられないわ。

 こんなことを考えてたものだから、どんな絵を描けばいいのよ。デッサンのように描いたところで、敷居が高いというか、どこか偉そうだし、今の時代は写真も撮れちゃうわけで。ただ……デッサンは「憧れ」を出せるとは思うから、その点は、素晴らしいとも思う。

 憧れ、を忘れた人間は
 次第に、ツマラナイ傲慢な
 デブ意識になっちゃう気がする。

 印象的な感じで描いたところで、やたら的(まと)が外れてしまう。デフォルメだなんて、わたしがやったところで、ただのわがままなんだから。だからと言って、お題である『おもちゃ』を無視して、描きたいものだけを描いたら、もう美術は赤点ね。

 はあ、とりあえず
 テキトーにクロッキーするか……。
 くまのぬいぐるみのめいちゃん!
 改めて
 よろしくね、めいちゃん!
 これから
 ゆのん、描かせていただきます……
 制限時間は一分。
 はいはい、行くよ!
 よ~いドン!!

 わぉおおお、あ何?あれ?謎の音が鳴り響く……
 ひょっとして
 これは
 かわいいめいちゃんの想いかしら?
 もはや、にゃあにゃあ。
 え、もう一分……
 終了。

 ホント下手くそ。だけど……
 案外、輪郭は出せたかも……
 よし、スケッチしていこ。
 きっと
 絵はニュアンスを伝える芸術。
 このかわいいかわいい
 めいちゃんが目に入らぬか!

 あ、わたしの大好きな、アニメーションって「アニマ」が、どうやら語源になっているようで「生命(アニマ)を与える」とかっていう意味合いと先生が言ってたけれども、何か、そこら辺を感じちゃったの!?

ヤバ、わたし
言い過ぎの自意識過剰な中二病だわ。
まだ、中一だけれども……
もし
中一病があるとしたら
炭酸野良猫病。
ひゃあマジ、わたし意味分かんない。
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