第17話 2021.3.17 タクシー移動への罪悪感

文字数 3,040文字

朝夫が仕事スペースで何かゴソゴソしている音で目が覚める。昨日たくさんアルコールを摂取したので少し頭が痛い。起き上がれずもぞもぞしていたら夫がベッドに入ってきてぎゅっと抱きしめてキスしてくる。昨日お風呂に入らなかった私の頭皮の匂いを嗅いで「酸っぱい。酸だ。茶飯酸。アシッドだ。acid of chameshi」とぶつぶつ言っている。臭いってこと?と聞くとそうだよと言われた。

一緒にリビングに行くとコーヒーを淹れてくれた。一緒にシュークリームが食べたいと言うと夫のシュークリームを分けてくれた。夫がかじってから私の手元にきたシュークリーム。夫の一口が大きくて巨人かと思う。ホイップが入ってるやつが好きなのでダブルシュー派。カスタードだけのやつは不満。

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シュークリームを食べたら、夫が立ち上がって朝ごはんを用意し始めた。「茶飯ちゃん食べる?」と聞かれたので、シュークリームを食べたばっかりだったが食べると答える。「食べるのか〜」と言いながら夫は冷蔵庫から豚バラ肉を出して炒めた。ご飯も炊いてくれていて、私用に少なめによそってくれる。豆皿にキムチとあおさのりを出して、豚が薄味なので味ぽんを付けながら食べてねと味ぽんも出してくれた。

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食べ終わってから私は食器を片付けたり家事をしながらダイニングテーブルでnoteを書く。しばらくカタカタやっていたら夫が「スタバ行く?」と言うのでいいよーと返事をする。準備が終わるまで夫は仕事部屋で作業をすると行ってしまったので、noteを書き上げてアップしてから顔を洗ってメイクをする。昨日着て出かけようと思っていたワンピースを着る。お気に入りのワンピはやっぱり可愛い。テンションが上がる。

準備が終わって、アプリでタクシーを呼ぶ。結構近くに何台かタクシーがいて、すぐ来てくれそうだったので夫とマンション前に出てタクシーを待つ。が、タクシーが途中で迷ってウロウロしていた。若干不安を覚えながらタクシーに乗り込む。クーポンを使って千円オフになり300円くらいだった。快適快適。
まだ11時でお昼前なので平日のスタバは空いていた。夫といつもの大テーブルに並んで席を取る。店内にお客さんが少ないのに注文の列が異様に長くて、ん?と思いつつ夫と並ぶが全然進まない。どうやらレジが一つなのと1人の人のやりとりが長いようだ。夫は私に財布を渡して「仕事したいから買ってきてもらえる?」と言って席に戻っていった。しばらくスマホを眺めながら待っていたら列が流れ始めて無事コーヒーを受け取れた。最近甘い飲み物が好きだったけど今日はブラックの気分だった。落ち着く。

コーヒーを持って夫の隣に戻り、カタカタ仕事する夫の横でノートを開く。noteの更新は終わってるのでPCは重いし置いてきたのだ。昔の私が書いていた願望や葛藤、チャレンジなんかが書いてあるノートで、多分2年前くらいのものだ。
ノートには「彼氏と一緒に暮らしたい」と書いてあって、叶っているのが嬉しいなあと思った。このことを書いた後に勇気を出して彼に自分の要望を伝えて、さらに「養ってほしい」「働きたくない」という自分に許可できていなかった深い部分の要望まで叶っている。勇気を出して行動し続けてきた結果が今でしかないし、何か成したいことがあるなら今行動するしかないなあと改めて思う。

突然「レンタル何もしない人」がしたいと降ってくる。ドラマも見たことないし本も読んだことない、Twitterで見かけたことがあるレベルなのだが、猛烈に気になってきた。スマホで情報を集める。もし私がやるなら、と考える。私は2年前に友人に「茶飯ちゃんの才能は人の話をただ聞くことができることだよね」と言われ、確かにその友人や夫にはよく壁打ちしたいときに使われているのはその能力ゆえだろう。自分の話をするのが苦手ではないし、それなりに自分の話をしていると思っていたのでそんな才能があるとは自分では思わないのだが、最近また改めて言われたので「そうなんだなあ」と思い、この才能をたくさん使ってみたいと思い始めた。人と関わりたい。そういう欲望が最近むくむく出てきたので合わせて「レンタル話を聞くだけの人」を始めることにした。無償、交通費と飲食代がかかればもらうという本家のスタイルを丸パクリだ。本家のようにTwitterで広く募集するのではなく、Facebookで知り合いにだけ向けて募集してみた。依頼があるといいな。

夫がそろそろ帰りたいと言い出したので、てっきりカフェをはしごするのかと思っていた私は驚く。カフェでなくてもいいが、お昼ご飯を食べてから帰ろうと提案する。行ったことない老舗の喫茶店があるようなのでそこに行ってみないかと誘う。覗いてみて微妙だったらスシローというコースで落ち着く。
スタバを出て駅前を歩きカフェに着いたが、あまりしっくり来なかったのでそのまま通り過ぎてスシローをアプリから予約する。少し歩いたが微妙な距離だし道路は混んでいてタクシーに乗ったほうが時間がかかりそうだった。喋りながら歩いていたらすぐにスシローに到着する。待っている人が結構いた。チェックインして少し待つと案内された。女子高生がたくさんいたので夫はいくら待っても構わないようだった。

この前スシローの美味しさに開眼してからスシローがお気に入りだ。多少当たり外れはあるが、大体美味しい。コスパがすごい。この日は3貫盛り祭りというのをやっていて、マグロ、大エビ、サーモンなんかの3貫盛りをチョイス。いつもの鯵もしっかり夫が注文してくれた。夫は鰻もお気に入りでよく食べている。

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お腹いっぱい食べてお店を出てアプリでタクシーを呼ぶ。今度は迷わずに来てくれて、対応がとてもいい。目的地へのコースもいい感じに提案してくれて社内も空気が悪くなく運転も丁寧。すごいよかった。やっぱり行きのタクシーはハズレだった。いつも自転車だと通らない道を通って帰宅。
この前自転車でカフェに行き、そのまま海に行った日に疲れすぎて帰り道しんどすぎたのでずっとお金がもったいないとタクシーに乗るのを躊躇していた自分が変わる時だと思って無事タクシーチャレンジができてよかった。タクシー=贅沢、怠惰、という思い込みがあったが普段見ない景色を見れたり運転手酸との会話を楽しめたり、何より体力を消耗しないことにより機嫌よく過ごすことができる。よき。

帰宅してのんびりする。夫は夜10時からのミーティングまで固定の予定はないようで寝てしまったので私もゲームしてアニメ見てハイボールを飲む。私には辛口すぎたハイボール。レトロで可愛くてジャケ買いしたやつ。

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寝ていた夫が起きてきて、お腹すいた!ピラフ食べたい!と騒ぎ出したので作る。冷凍エビと冷凍チャーハンを具にする。ニンニクをたっぷりみじん切りにして投入。乾燥パセリを振ったけどあんまり緑がわかりにくい。油っぽくなってしまったが、夫は美味しい美味しいと絶賛してたくさん食べてくれた。

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その後夫はミーティングして、一緒にお風呂に入って、リビングでのんびりゴロゴロ。行こう行こうと思っているうちに行けていない不妊クリニック、行けないうちに次の排卵が来そうだなーとアプリを見たらもう妊娠可能期間に突入していた。びっくりして夫に伝え、今日しよう!と思ったが眠すぎて出来ず。明日の朝早くしようねという話になって眠りにつく。朝ベッドに来てくれるらしい。わくわく。
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