第164話 人をまとめる難しさ Aパート

文字数 7,703文字


 明らかに平行線だったぽいお母さんの電話。その上、いったい何を怖がっているのか問題の女子たちがいなくなったにもかかわらず、煮え切らない態度のままの咲夜さん。
 その中でも無事実祝さんと仲直りも出来たし、何も悪い事ばかりと言う訳でも無い。ただ、翌朝になっても彩風さんからの返信が無い事だけは、気がかりとして私の中に引っ掛かりが残る。

宛先:蒼ちゃん
題名:昨日はありがとう
本文:昨日あれからおじさんとおばさんは大丈夫だった? また都合の良い時で良いから
   連絡ちょうだいね。

 その中で昨日の最大の功労者である蒼ちゃんにメッセージを送って、昨日のもう一つの電話。優希君との会話を思い出す。

  ―――――――――――――★ 私のセルフエリア ★―――――――――――――

 昨日お風呂から上がった時点でも、まだお母さんがお父さんと電話をしていたのを横目で気にしながら自室へと戻ると、
「えっと……優希君?」
 まさかこんな夜も遅めの時間になってから連絡をくれるとは思っていなくて、比較的新しい着信履歴から優希君にかけ直すと、
『愛美さん。今日はどうだった? 楽しめた?』
 程なくして優希君と繋がる。
『うん。楽しめたし、思ったより元気そうだった蒼ちゃんの姿を見る事も出来たよ』
 私からの連絡を待ってくれていたのかなと嬉しくなった私は、優希君が一番気にしてくれていた私の親友である蒼ちゃんの事を伝えると、
『良かった。それじゃあ二人とも元気は元気なんだ』
 本当に心配してくれていたのが伝わるかのように、電話口にもかかわらず漂っていた緊張感が解けるのが分かる。
『うん。復学の話は何とも言えないけれど、私も元気な蒼ちゃんを見ることが出来てとっても嬉しかったよ。ありがとう。優希君の方は、中条さんとの話はどうだったの?』
 昨日中条さんからは聞いていたけれどせっかくの恋人同士での電話。しかも今日は今のところ、優珠希ちゃんも邪魔自体はしてきていないのだから、彩風さんの事でお小言を貰うのは面白くない。だから昨日のメッセージを思い出した私が、中条さんの話を振ると、
『取り敢えず明日から、雪野さんとその友達って言う印象は少しずつでも訂正してくれると思うけど、愛美さんこそ彩風さんとの事は?』
 どうも彩風さんの事も気にしてくれていたみたいで、どうにも彩風さんの話題は避けられなさそうだと悟る。
『……私との事より、彩風さんの方が気になるの?』
 でも、せっかく優珠希ちゃんも邪魔していない優希君との二人だけの電話。他の女の子の話なんてしないで、私との電話を楽しんでくれても良いと思うんだけれど。
『気にはなるよ。だって一番初めに愛美さんから、倉本とデートするかもって売り言葉に買い言葉でも言わせたんだから。僕としては彩風さんと愛美さんがどんな話をしたかは、ちゃんと知りたいかな』
 そんな言い方をされたらごまかせない。こうなったら仕方がないから開き直る事にする。
『優希君の言いたい事も分かるけれど、彩風さんから私、倉本君の事が好きならワザワザ彩風さん自身に断りなんて入れずに、デートしたら良いって言われたんだよ』
 どうせ開き直るなら、他の誰でもない私の彼氏である優希君だからこそ、私の気持ちだけは知っておいて欲しい。
『だから彩風さんの売り言葉を、愛美さんが買ったって事なんだ』
『そうだよ。もちろん私がお願いした通り、優希君は彩風さんにしっかりと言ってくれたんだから、私も優希君が言ってくれた通り、優しく辛抱強く話を聞ければよかったのだけれど、私、倉本君の事なんて好きじゃないよ!』
 だから、ここぞとばかりに私があの時買ってしまった言葉の背景を知ってもらう。
『愛美さんが僕を想ってくれるのは嬉しいし、改めて倉本なんかなんとも思ってないのも知れて安心出来た「じゃあ私の――」――けど、そもそもどうして彩風さんが言葉を売る事になったの? 辛抱強く話を聞いてくれてたら彩風さんが売るような状況にならないと思うんだけど……ひょっとして彩風さんと喧嘩でもした?』
 なのに、どうにも私の気持ちが伝わり切っていないのか、たくさん口付けもしているのに最近仲良く喋っている彩風さんを必要以上に気にしている気がして面白くない。
『だっていくら女としての立場から説明しても、優希君から男の人の考え方や気持ちを聞いても、自分にはもう可能性はない。倉本君は私が好きだって言って全然聞いてくれなかった……から……』
 言葉の途中でふと気づく。ひょっとしてこの流れって、私が一番初めに言葉を売ってしまった流れなんじゃないのか。
『……聞かなかったから?』
 ……しかも優希君も察している気がするし。
『……彩風さんの代わりに、私が倉本君と協力して雪野さんとの事を考えるから、倉本君と二人で放課後に出かける事も……ある……かも……とは言ったかもしれない――でも初めにちゃんと言ったんだよ? これまでに辛抱強く聞いたんだよ! あんな唐変木になんか好きになる事も惹かれる事も無いって』
 諦めた私が隠さずに全てを話した直後に、優希君が不機嫌そうにため息をつくのが受話器越しに聞こえてしまったから、大慌てで言葉を付け足す。
『何で? なんで優希君は私の気持ちを分かってくれないの?』
 確かに優希君の言う通りに協力できなかったのは悪いとは思っているけれど、自分の彼女なのに他の男の人が好きだって言われても優希君は何とも思わないのかな……。
『……じゃあ、僕も愛美さん以外に触れられるのも嫌だけど、本当に雪野さんがいつも一人で孤立してて元気ないから、僕が元気付ける意味で、ちょうど週末だし明日の放課後に雪野さんとデートして来るよ』
『何で?! なんでそんな事言うの? 優希君があの日に雪野さんの事乗り越えさせてくれたんじゃないの?!』
 何だろう。確かに優希君から私への“好き”はちゃんと伝わるのに、この心がしんどくなるのは。私はまた雪野さんで苦しまないといけないのかな。優希君が雪野さんに気持ちが流れる事は無いって分かっているのに、この

感覚、

感覚。この感覚は、雪野さんが優希君の頬に勝手に口付けされた時の感覚に近いかもしれない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 優希君が自分の内側に入った証拠:セルフエリア内に入っている
(それくらい親密になれている)
 ↑他の女の子に触れて欲しくない理由⇔男の独占欲 
(他の男に触れて欲しくない理由⇔女の嫉妬) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『……愛美さんは僕の彼女だ。だから他の男と出来るだけ触れて欲しくないって、特に倉本とは二人きりにはなって欲しくないって、愛美さん自身も嬉しそうに同意してくれてたのに、よりにもよってその相手がまた倉本?』
 自分の中に沸き上がった感情に対して、的確な言葉を探していると、私は、優希君の彼女だってハッキリと言ってくれる。
 同時に私の心が再び落ち着き始める。さっき感じたざらついた感覚が消えていく。星々の祝福の中でした私の口付けで雪野さんの残滓を消した時の感覚が広がる。
『……ごめん。私が悪かったよ。いくら売り言葉だって言っても、優希君以外の男の人……ううん。よりにもよって倉本君はなかった』
 つまり逆で考えると、優希君も同じ感覚を持ったかもしれなくて。
『僕は愛美さんの彼氏で、愛美さんの彼氏は僕で、だからこそ他の男なんて意識して欲しくない』
『うん。今日は本当に私が悪かった。本当にごめん。だから優希君も雪野さんとって言うのは辞めてね』
 ただ、的確な言葉が見つからないこの感覚。少しでも早くこの感覚を忘れたくて話を終わらせる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 男の独占欲・女の嫉妬の齟齬 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『それじゃ本題だけど、恐らく明日倉本が愛美さんに会いたい、話したいって言って来ると思うから、今回だけは倉本の話を聞いて――』
『――何で?! どうして倉本君と会えって言うの? やっぱりさっきの事、怒っているって事? 確かにさっきは倉本君の事で売り言葉に買い言葉をしてしまったけれど私、倉本君とデートとか嫌だよ!』
 さっきまでとは全く違う話に、私は抗議する。もし倉本君とデートなんて事になったら、あの積極的な倉本君の事だから、私に触れようとしてくるのは目に見えている。なのに、今さっきまで不機嫌になってくれた優希君は一体何だったのかなって寂しくなる。
『僕だって愛美さんと倉本を二人きりにするつもりなんて間違っても考えてないから落ち着いて。本来なら倉本の相談役として機能しないといけない彩風さんが倉本と話が出来ない状態になってる。その影響もあって現在統括会は倉本の独り相撲みたいになってるんだ』
 それってたった五人しかいない統括会ですら協力出来ていないって事も手伝って、倉本君も独りを感じているって事じゃないのか。
『その中で何を焦ってるのか、こんだけごたついてる学校の中で雪野さんの話なんて止まるに決まってるのに、残留の話を学校側とするって言って聞かないんだ』
 それは学校側から倉本君への謎の課題に対する話をしていないのが原因なんじゃないのか。
『ちょっと待ってよ。そもそもの話なんだけれど、倉本君の話相手って何も私じゃなくて優希君でも同じ統括会メンバーなんだから良いんじゃないの?』
 なのにどうして一人孤独を感じる必要があるのか。倉本君が学校側からの課題に、その難易度も手伝って空回っている事は理解は出来る。それでも私と話したって恋情の話になるだけで、雪野さんの話なんて二の次になってしまうんじゃないのか。
『愛美さんの言う通りだけど、僕と倉本が話したって愛美さんとの事で喧嘩になるだけなんだ。だから今回は愛美さん自身が倉本と話してもらうしかないんだ』
 結局は彩風さんが、感情と恋情に振り回されているのが原因で、彩風さん自身が一番望まない形になってしまっているんじゃないのか。
『どうしようもないって、私と倉本君が会うのは優希君、嫌じゃないの? 私、まだ学校でみんなの前に出られないよ』
 あれから約一週間経って少しずつ腫れ自体は引いて来ているけれど、優希君の彼女として人前に立つにはしんどい。
『もちろん嫌だし、愛美さんに対して倉本が何をしてくるのか分からない以上、二人きりにさせる気もない。だから無理を承知の上で倉本の話の時に、蒼依さんにも立ち会って欲しいんだ。もちろんそのお願いは僕から蒼依さんに誠意を持ってする。その前段階として、愛美さんから同意を得られることが前提だけど』
 確かに蒼ちゃんと優希君ならお互いに面識もあるし、信頼もあると思う。それに蒼ちゃんと優希君なら何でかは未だに分かって無いけれど、嫉妬や気移りの不安も全くない。その上で私に対しての気遣いもあるのだから、反対する理由が見つからないのだけれど、
『優希君は一緒に話をしてくれないの? 同じ統括会の事なんだから参加してくれても良いんじゃないの?』
 他の男の人から私を守るのは、優希君自身が頑張りたいって言ってくれたのに。
『僕もそう思うけど、今の僕と倉本が顔を合わせるとさっき言った通り喧嘩になるし、何より愛美さんと彩風さんが喧嘩したままだと、どうにも良くないから今日の放課後は、今の話と合わせて彩風さんともう一回話をするつもりでいる』
 ……半分以上私の責任で、他の男の人から私を守るのを諦めたっぽい優希君。それでも倉本君とは二人きりにしたくない優希君の気持ちも伝わって来る。
『本当に彩風さんの事は私が間違ってた……ごめん』
 これじゃあ、後から送った彩風さん宛ての補足メッセージなんて意味がない。優希君自身が安心して私に“好き”を頑張れるようにしないといけなかったのに、その気持ちを蒼ちゃんに託さないといけないって言うのは、優希君の彼女として減点な気がする。
『大丈夫だって。それに僕は愛美さんに謝って欲しい訳でも無いから元気を無くさないで欲しい。その分僕は倉本や他の男と違って広い心を持ってる男だって、愛美さんに相応しい男だって分かって貰えたら僕としては十分嬉しいよ』
 なのに、電話口にもかかわらず得意気な声に変わる優希君。その優希君が時々口にしていた“広い心を持っている男”。
 今までは何とも思わなかったのに今、この瞬間においては私の脈打つ速度が速くなる。私が気付かなかっただけで、私は色々な形で優希君から守ってもらっていたんだなって分かって、私の心が温かくなる。
『ありがとぉ。優希君、元気出たよ。それと蒼ちゃんの件だけれど私はもちろん反対しないよ。だから蒼ちゃんの気持ちをちゃんと聞いてね』
 その上で優希君がそう言ってくれるのなら、私から優希君に余計な事を口出しするような事はしないし、今度こそ優希君に協力するだけだ。ただ優希君なら大丈夫だろうけれど、蒼ちゃんの気持ちだけは尊重して欲しいから一言付け足しただけで。
『ありがとう愛美さん。倉本とどんな話になったのか気になるから、また明日も連絡する』
『ありがとうって……私の方がお礼を言いたいくらいなのに。いつも私の前では、心全体を包み込んでくれる程広い心を持ってくれている上に、カッコ良い優希君だよ』
 だから私が何かを失敗するたびに、私の大好きな笑顔で何でもない事のように何とかしてくれるから、その優希君に甘える形で、昨日よりも、もっと優希君の事を大好きになってしまう。
『そう言う愛美さんもお転婆で優しくて……か、可愛いよ』
 ってちょっと待って欲しい。お転婆ってどういう事なのか。可愛いとお転婆って同居できるものなのか。いや、その前にお転婆ってもっとこう、小さい女の子に使う言葉じゃないのか。
『お転婆って私、そんなにがさつに見える?』
 優希君の前では手や足を出すのは見せた事ないはずなのに。
『ガサツって言うか、僕の広い心の中で伸び伸びと彩風さんと売り言葉に買い言葉をしたり、雪野さんと言い合ったり、優珠と仲良くしてくれてるよね』
 それ。広い心って付ける必要あるのかな。
『だったらお転婆じゃなくて、せめて正直者とか取り繕う事なく人と接するとか言って欲しいな』
 これは優希君の最も大切にする女の子、優珠希ちゃんとの女二人だけの話なのだから。
『ふふっ……僕の言葉に否定しなかったけど、愛美さんは自分で可愛い、優しいって認めてくれたって事?』
 私のお願いに鈴が鳴るような声で笑い声をあげたかと思ったらまさかの一言。
『なっ?! ち、違う――』
 ただ優希君の別の言葉に反応しただけで――
『――僕にとって愛美さんは見かけだけじゃなくて、その恥ずかしがり屋な内面も含めて一番可愛いって思ってるんだから、愛美さはもっと自分が可愛いって自覚して倉本と接して欲しい……かな』
 更にその中に込められた男の人としての優希君の気持ち、私の彼氏としての気持ち、そして私に対する“好き”の気持ち。
 その全てが私に伝わるけれど、たまには分り易く伝えて欲しい、私の面倒臭い女心が顔を出す。
『そう言ってくれてすごく嬉しいけれど、優希君っていっつも私にイジワル挟むよね。たまにはまっすぐに優希君の気持ちを聞きたいな』
 さっきのお転婆とか。
『そりゃ好きな相手だからイジワルしたくなるよ』
 そう言えば優希君は、好きな人にイジワルをして来るんだった。私が改めて電話口の優希君の事を考えていると、
『――でも僕は愛美さんは誰にも渡したくないくらいには好きだよ』
 さらに続く言葉に、鍵のかかった部屋の中、私の顔が熱を持つ。いくら口付けまでする仲になったとしても、こう言う不意打ちには中々慣れない。
『わ。私の方が優希君の事大好きなんだからっ!』
 あ。どもってしまった。
『ありがとう愛美さん。じゃあまた明日』
 しかも優希君の方は私のドキドキなんて知らないで、そのまま電話を切ってしまうし。どう考えても私の“大好き”は優希君に伝わっていない気がする。
 結局私の想いを優希君に伝え切れないまま、優希君から私への想いだけを受け取って通話を終えた。

――――――――――――★ 私のセルフエリア  完 ★―――――――――――

宛先:優珠希ちゃん
題名:仲良くしてる?
本文:最近連絡無いけれど、御国さんと仲良くしている? 私と親友(病院の時に
   もう一人いたあの子ね)も元気は元気だよ。

 昨日の夜の事を思い出したからじゃないけれど、最近連絡のない優珠希ちゃんに一つメッセージを飛ばして今日は病院へ行く日。
 昨日のお父さんとの電話の結果も気になった私は、一度リビングへと顔を出す。

「……ねーちゃんおはよ」
 私の姿を見た慶が小さく挨拶をした後、人差し指を両手ともに立てて、そのまま頭の上に持って行く仕草をする慶。
 つまり、昨日の電話の時点でお父さんとの話し合いは平行線――
「愛美。あんな自分勝手なお父さんなんて放っておいて、お母さんが教頭先生からの話も聞くわね」
 ――いや、余計に話が拗れた気がする。
「……どうしてもなら先生に来てもらうのを来週にしてもらう?」
 お母さんが私の気持ちを尊重してくれるのは嬉しいけれど、やっぱり私としては二人ともに話を聞いて欲しいし、決して私の望む形では無いけれど、私の事を心配してくれているお父さんにも応援はして欲しい。
「愛美の気持ちは分かるけど、先週のお父さんの態度は忘れたの?」
 もちろん覚えてはいるけれど、今週頭の時点でゾンビみたいになって、一週間経って頭も冷静に……には、昨日の電話の感じだとなれていないのか。
「もちろん忘れているわけ無いけれど、理解してくれるのはお母さんだけでも、これから受験の事もあるんだから、せめてお父さんにも応援くらいはして欲しいよ」
 それに仲の良い両親の喧嘩している姿なんて見たくないに決まっている。
「愛美の気持ちは嬉しいけど、今のお父さんは全く聞く耳持ってないわよ」
「……」
 つまり時間が経っただけで、状況は先週と変わっていないって事か。先週の再現かと思うと自然ため息が漏れてしまう。
「もし愛美がしんどいのなら、今週くらいはお父さんと顔を合わせなくても良いんじゃないかしら」
 その方がお父さんにとっても良い薬になるだろうしって、付け足しながら今まででは考えられない提案をするお母さん。
「せっかくお父さんが帰って来てくれるんだから、それは嫌だよ」
 それだったらたとえ大喧嘩したとしても、顔を合わせる方が良いと思うんだけれど……お母さんの疲れた表情を見ていると何とも言い辛い。
「……じゃあ俺はもう行くけど、今日も早く帰って来るからな」
 慶も昨日の二人の電話の様子を見知っているからか、やや殺伐とした空気を纏いながら学校へ行く。

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