塩竃

文字数 495文字

塩竃
 義経への伏線としてここでは藤原忠衡に言及している。 

早朝塩がまの明神に詣。国守再興せられて、宮柱ふとしく彩椽きらびやかに石の階、九仭に重り、朝日あけの玉がきをかゞやかす。かゝる道の果塵土の境まで、神霊あらたにましますこそ、吾国の風俗なれどいと貴けれ。神前に古き宝燈有。かねの戸びらの面に文治三年和泉三郎寄進と有。五百年来の俤今目の前にうかびて、そゞろに珍し。渠は勇義忠孝の士也。佳命今に至りて、したはずといふ事なし。誠人能道を勤、義を守べし。名もまた是にしたがふと云り。日既午にちかし。船をかりて松嶋にわたる。其間二里餘、雄嶋の磯につく。

 芭蕉は流行の中で不易を維持するための人々の努力を称賛する。しかし、それが個人にまつわることであれば、生前のありようが影響する。その人のよく生きることへの姿勢に共感して後世の人々が語り継ぎ、その関連する者を継承しようとするものである。不易流行は道徳思想でもある。

 それにしても、ストリートビューで見る塩釜神社はJR新宿駅並みの混雑だ。おそらく日光より人口密度が大きい。辺りが暗めで、参拝客がダウンを着ているから、撮影の時期は冬季の夕方だろう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み