第7話 容疑者
文字数 220文字
「誘拐した少女をどこへやった。さっさと吐くんだ」
刑事が机をどんっと叩くと向かいに座った男がおえっと胃の内容物を吐き出した。
「わっ、汚ねえっ。そんな意味で言ってんじゃねえ、まじめに答えろっ。
ったく、誰か雑巾持ってきてくれないか」
舌打ちしながら刑事は部下の持ってきた雑巾で机の上の吐瀉物を拭きよせゴミ箱に落とそうとした。
「ん? なんだこれ」
赤黒い液体の混じった吐瀉物の中には噛みつぶされた眼球や耳のような肉片が混じっていた。
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