14
文字数 258文字
誰かに書いた手紙が
どこか波間を漂って
どこか見知らぬ誰かに
たどり着いた
一歩通行でそれも割と
暴力的なその行為に
いくつかは見送って
いくつかは拾い集め
足りない温もりのために
くべた火の中へと放り込む
燃えさかる想いは
灰になるまでの
わずかな時間にも
僕を温めてくれる
ただの気まぐれで
気の向くままに
思いを書き殴ってる
過去にそこにあったという事実と
少し背伸びした言葉に
僕はまだ見ぬ世界を思い
その向こう側を憧れたのに
今はただ霞んで見える
手紙の代わりに沈みゆく
夕日に僕は返したい言葉を呟く
大人になりすぎた自分を
だれにも知られたくなかったから