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文字数 322文字



少しクセのある
前髪を気にしながら
君は雨に憂いを抱いて
傘の波に消えていく
色とりどりの花が
咲く季節もあれば
無機質な心の奥を
覗けるような
透けた花が流れていく
そんな日もある
心踊るのはきっと
僕だけの秘密
だってその前髪が
僕が好きな君を
世界一可愛くしてくれるから
濡れた靴紐に
虹の色が滲む
光出す空は
雲を掻き分け
僕らを探す
大切なものを隠してるから
その叫びに
惑わされないように
灯を消して眺める空
君と手を取り合い
見つかる前に夢の中へ
今日はまだ諦められない
いつまでも朝までも
呆れた太陽に促され
静かに去っていった
君の前髪は
何事もなかったように
ただ真っ直ぐに
君の心の中を映し出す
傘は今日は太陽から
君を隠す
傘は知っている
今の君よりも
僕が好きな君の前髪を
誰にも見せたくない事を
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