文字数 285文字



いつもの景色に
いつにない色がかかる
ピンクとかオレンジとか
僕の世界にはあまり馴染みのない
くすぐったい色なのに
キラキラがなんだか眩しい
ガラス玉を通したような
その光の玉は今日
何を見ても振り返っても
信じられなくて瞼を閉じても
輝いて見えてしまう
隣に君がいるだけなのに
同じ方向を一緒に見ようと
約束しただけなのに
ほんの少し指先が触れただけなのに
こんなにもドキドキが止まらなくて
他の音も声も聞こえなくなって
僕たちだけの世界に
閉じ込められてしまう
時間が止まればいいのに
そんな勝手なことを思っても
誰も許してはくれないけれど
それでもその瞬間を
切り取って閉じ込めたくなった
そんな何でもない帰り道
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