第23話 自己まとめ(2)

文字数 1,220文字

 どうも、感情的になってしまう…。
 自分は甘かった。
 思うに、そんな、入居者さんと親しくならなくてもよかった、と言ってしまいたい。
 それより、技術的なことをほんとうに教わりたかった。←これも甘いだろう。
 感情? 思いを、書こう。
 入居者さんに、楽な気持ち、家にいるような気持ちで、(美化するようだけど、美化ではなく、本気でそう思っていた)笑って、楽しく施設にいてほしいと思った。そのためには、自分が、入居者さんと親しく、自然な関係になれる感じになれれば、という思いが強かった。

 これは、3つめの施設で、リーダーの人からダメを押されてしまった。
 入居者さんによって、「タメ口」をきいてもいい関係、悪い関係は、ぼくなりに判断していたが…。
 しかし、今でも思うけれど、あの3つめの施設はハード面でもひどかった。お風呂は小さく、湯船の中に職員もびしょ濡れになって入らないと、入居者さんをどうにもできなかった。建物、設備が、動き難いように造られてつくられていた。立地条件もあったんだろうけれど…
 介護職員は喫煙者が多い。でも、喫煙所がなく、公然とみんな、隠れて吸っていた。

 医療関係者はやたら浣腸をして、職員もそらぞらしく、建物やユニフォームはお洒落だったけど、ただ綺麗なだけで、あまり良くない施設だったと思う。
 ご飯を運んでくる厨房の人にも、「ありがとうございます」と言いにくい、冷たい銀行のような雰囲気が全体的に強かった。
 この3ヵ所の施設、ぼくは総じて人間関係でいやになった。これはどんな仕事でも言えるけれど、特に介護(きっと医療の現場も)、この働く者どうしの人間関係が、最大の「敵」のように思う。
 感情、思いが、入りやすい、入ってしまうからか。
 自省したいのは、なぜぼくは「これが良い・これは悪い」と決めてしまうのか、というところ。リーダー的な人が言うことが、きっと正しい、と「わかって」いても、「それは違うだろう」と感じる自分がいるということ…

 たとえばお風呂の時、入居者さんと一緒にぼくはよく歌を歌った。入居者さんも本気で楽しそうだった。トイレの手伝いをさせてもらう時も、ごめんね、とか言われれば、何をおっしゃる、出ないより出た方が絶対身体にいいんだから。ダメだよ気にしちゃ、と、「タメ口」を使い…
 一緒に、フロアで入居者さんといる時、いろんな話を聞かせて頂いた。長話だと、ほかの入居者さんの所へおむつ交換も行けないので、早めに切り上げた。
 でも結局、入居者さんといくらコミュニケーションをとったとしても、施設側からすれば…

 何やら、意味のない文になった。あ、自己正当化してるな、というのも垣間見える。
 要は、自分が我慢強くないということ。こんな上司のもとでは働きたくない、と思ってしまうこと。
 ただ何も考えず、何が良い悪いも考えず、続けることが大切だったんだろうとも思う。
 しかし…やはりタイムマシンで当時に戻れても、ムリだったと思う。
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