第24話 自己まとめ(3)

文字数 502文字

 文を書くというより、恥をかいている気がする。
 どこまでも私は「辞めた人間」であって、今も施設で働いている人たちには頭が上がらない。
 何をここに書いたところで、それは私ひとりの問題であるし、うらみのような気持ちはないけれど、介護ホームを辞める職員が多い、その一員として、どのような現実・気持ちの過程を経て、辞めるに至ったのかを書くことが、万が一にでも施設現場の長の目にとまり、カイゼンに繋がれば、という望みもないことはない。
 これも、希望的な、自分本位の、がらくたの望みだ。

 書くことは、ひとりでするものだから、相手がここにいない。ひとりよがりで、客観が、主観の内から出ることはない。

 ヒト相手の、1対1の仕事に、正解がないのは確かだ。1人1人、ほんとうに違うのだから…
 すると、正解・正しさというのは、総体的なものなのか?
 正しさは、ひとりひとりの中にしかない筈なのに、どうして総体…

 人との関係に、マニュアルなんかない。技術的なものには必須だけど、関係は…

 いろんな仕事をしてきたつもりだけど、介護の現場ほど、笑っていた日々はなかった。

 働く場所には、必ず人間がいる。人間が、こわいなぁ、とも感じ…。
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