第16話 猫revisited 2

文字数 214文字

失意の中に居た。
誰も、残らなかった。
それでも生理現象には抗えない。
小便、小便。
横浜から田舎に戻り、そんな事も無頓着に出来る自由を感じるや否や、白い夏のワンピース。
こっちを見てる。
いや、違うんだ。
ほとばしる尿は止められない。
「こんなところで、何してるんだい?」
喋れないのだろう。
彼女は身振りで答えた。
名前は?
僕は双葉紫明。
どうしても、わからない。
白いワンピース、白い肌。

しろ

そう呼んで、良いかい?
彼女は嬉しそうに、頭を縦に振った。
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