第9話 stop the internet romance

文字数 574文字

はるちゃんのライヴに行く事にした。
振られてからもう5年、でもバンドのブログでずっと近況はチェックしてたから、彼女と結婚して愛知県へ行った事も知ってた。
メンバー募集サイトで「ゆみか」って名前でやり取りした。
はるちゃん「めちゃめちゃ趣味合いますね!」って喜んで、マメにメールする様になった。
元カノなめんなよ、って。
ずっと一緒に聴いて来たんだから。
名前でバレるかと思ったけど、はるちゃん音楽の話に夢中でぜんぜん気付かなかった。
それで少し悔しいやら、淋しいやら。
だから、会いに行ってやる。
わたしは所謂淫乱なのかも。
いろんな男のヒトに目移りしちゃう。
ただ単に、悪い子になりたいのかも。
えっちまでしないと気が済まない。
だけど、やっぱりはるちゃんがいちばん好き。
はるちゃんに「ふみか」って呼ばれるのが、いちばん嬉しかった。
わたしは浮気者だけど、はるちゃんを誰かに取られるのは嫌だった。
だからはるちゃんに彼女出来ると、わたしに彼が居てもちょっかい出して、取り返して来た。
はるちゃんの取り返し方なら、プロだよ。
だけど今回は無理かも。
明日早いからもう寝よう。
睡眠薬、睡眠薬。
はるちゃんにおやすみメール。
音楽の話にかこつけて。

明日いよいよライヴですね!
頑張ってください。
おやすみなさい。

     ゆみか

お薬効いて来た。
お酒も少し飲んだから。
ぐらぐら揺れる、あの赤い暗闇。
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