第15話 猫revisited 1

文字数 279文字

わたしは猫の亡霊になっていた。
立ち小便をするあのひと。
ごめんね、殺意なんか、なかった。
あなたを好きで、幸せになって欲しかった。
それでもわたしはもう死んで久しいから、つまり、一緒にいたかったんだよ。

わたしが人の女の姿で現れると、あなたはすぐに溺れた。
あなたの好みは知ってる。
色白で、ほくろがたくさんあるひと。

あなたはいろんな夢を見ながら、わたしの実体の、子猫の白骨を抱いて、ずーっと、このゴミ捨て場に居たんだよ。
わたしは、幸せだった。
わたし、自信があったけど、あなたの過去に勝てる自信はなかった。
だから、ね?
このまま。
一緒に生きてこう。
世間が言う、あの世でさ。
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