第13話 今度は俺らの番さ

文字数 646文字

ああ、え?
あ、わたしの番ね。
さきちゃんについて語れるのは、わたしを置いて他に居ないわ。
今世界中でさきちゃんをいちばん好きなのは、わたしだから。
異議があるなら受けて立つわ。
さきちゃんの尻のほくろの位置まで(あ、しまった、見てなかった。今度見とくわ)し、し、し、知って、あ、やっぱり知らないわ。
それでも!
さきちゃんが好きなんだよ。
文句ある?
あるよね、ありますよね。
あ、さきちゃんは双葉紫明。
で、「短い夏は繰り返す」で、はるちゃんになってる人。
わたしの、ただひとりの旦那さま。
寝盗られ趣味があるみたいから、さきちゃんの為ならさきちゃんの眼の前で知らない誰かに…、

できないわ。

でも、好きなんだよ。
その事で責められたら、「それは出来ないけど、好き」って言うわ。

わたしは紫明先生のたったひとりのファン。
なかなか書かない先生のケツを叩いたのもわたし。
わかるわよ。
序盤のいつもの感じから抜け出そうとするギミック。
ふみかちゃん登場での意表を突く展開。
そして、第二話でまいた伏線の回収としてのわたしへのバトン。
どうせ、わたしには「赤い暗闇」は見えない、って設定でしょ?

わたしはさきちゃんの過去なんか知りたくない。
ヤキモチなんか、焼くのはごめんだ。
けど、さきちゃんがわたしの過去にヤキモチ焼きたいんなら教えてあげる。
わたし、けっこうモテたんだよ。
ああ、色々疲れたから、今日はもう寝るね。
ねるねるねるね。
わたしはさきちゃんの夢なんか見ないよ。
赤い暗闇なんて、見たことないよ。
ほら、やっぱり目を閉じると、ただ暗いだけ。
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