第22話 あとがき strangeways here we come

文字数 676文字

僕の店の客席とキッチンの頼りない間仕切り板には「strangeways here we come!!!」と書いてある。
いわゆる所信表明というか、
数年してイギリス人の客に、「strangewaysが何を指すのか、知っているのか?」と聞かれ、知らないと答えると教えてくれた。
strangeways
マンチェスターにある刑務所。
絞首台がある処刑小屋を備えている。
strangeways here we comeは、イギリスのロックバンドthe smithのラストアルバムとなった作品で、僕はそんな事情を知らず、同様に事情を知らなかったのであろうライナーノーツを執筆した評論家嬢の「ほら来たぞ、変なやり方で」
と言うのを鵜呑みにした。
実際は、マンチェスター出身の彼らのこの表現は、「イカれたやつらの収容所、ほら、来てやったぞ」みたいな感じなのか?
まあ、どっちにしろ、お似合いだとは思う。

この「赤い暗闇」を書き始めた事には、はじめて取り組んだ「婚姻」という作品を削除した事が大きく関わっている。
様々な理由があり、いろんな作品を書き散らすうち、慣れもあり、なんだかこの「婚姻」という作品があまりにもみすぼらしく感じてしまった。
今となっては削除せず、残しておいても良かったかな、とも思う。
しかし、単なる逆行小説であった「婚姻」は、僕には酷く単調でつまらなく感じてしまい、続きを書く為に過去を思い出す気力を失ってしまった。

と、まあそんな経緯で「婚姻」をリアレンジした様な本作を書いた。
お楽しみいただけたら幸い。

最後に本作の主人公であろう?この男に物語を終わらせてもらおう。
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