第1話 ok computer
文字数 211文字
目を閉じると赤い暗闇。
蝉の声。
温い風に目を開ける。
坂道、陽炎、疎らに走る車。
排気ガスの焦げた臭い。
ふたたびあの闇へ。
汗が滴る感触。
夏休み、プール登校の帰り道。
猫の轢死体。
息を止め、目を3たび閉じ、過ぎる車の音にクラクラと、目眩。
知っていた。
もっとかたく目を閉じると、飛蚊、そして、次の季節へ。
僕の頭の回路が歪に繫がると、僕は別の場所に居た。
いつからか、どうやら、そうだ。
さあ、どこに飛ばされる?
誰になる?
頭がきりきり痛い。
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