第10話 not you again

文字数 487文字

目が覚めると、駅前の居酒屋に居た。
大好きなはるちゃん。
こっちに帰って来てから、フジロックに一緒に行ったきり。
ずっと連絡もないし、もしかしたら…
年の瀬、忘年会かな。
賑やかな店内に、ひとり待つ。
はるちゃん来た!
まずは乾杯してから、と思ってた。
顔見るなり、「好きなコが出来た。結婚するつもりだ」
涙が出た。
春ちゃんからだって取り返したんだ。
出会ったばかりのヒトに、負けられないよ。
いつもみたいに、わがままで困らせてやる。
困ってくれなかった。
真っ直ぐわたしを見つめて、「もう、やめよう」
はるちゃん、優しいからこんなに冷たく出来るわけないのに。
わたしが好きって言えば、受け入れてくれたのに。
わたしたち結婚は出来ないけど、ずっとお互い都合好く付き合って行けると思ってた。
そんな自分の気持ちだけで、忘れてた。
はるちゃん、嘘が下手なんだ。
ほんとに嘘がつけない。
だから、浮気なんて、出来ないんだよね。
取られちゃった。
わたしも誰か見つけなきゃ。
はるちゃん、席にも座らず帰っちゃったから、ひとりで飲んだ。
惨めで居たたまれないから、長居はせず、実家へ。
たくさん飲んで眠る。
赤い暗闇、頭がガンガン痛い。
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