第21話:松本のマイホームを売る話1

文字数 1,689文字

 東京に、転勤となれば、松本の家を売っていかねばならないと告げて、奥さんと話し合った。
奥さんから、彼女の勤めてる会社の友人1人が、数ヶ月前、交通事故で。旦那さんを亡くした話を以前、知らされた。その旦那さんは、大型バスの運転手をして、松本と東京・新宿まで、高速バスを運転していたと聞かされた。

 その会社が、幸いにも、信州の有名な大手の観光バス、タクシー、電車、輸送の会社であった。そのため死亡保険で、大金「約5千万円」が下りたと噂になっていたと聞いていた。数日前に、その人の娘さんが一家4人で、村下の家の真向かいのアパートに引っ越してきた。そしてその友人は、何回か、村下家にも遊びに来ていた。

 そして、こんな立派な家いいね。羨ましいと、言っていた人だった。村下の奥さんが、その友達に、もし私の住んでる通りで売り家が、出たら買う気が、あるか聞いたところ、もちろん買いたいと言ったと村下に伝えた。旦那の保険金が、出たので、早く市営住宅から、出て、娘夫婦と孫二人に囲まれて暮らしたいと本音を漏らしていたようだ。

 その未亡人から、その話を聞いて、村下家の売却の話を進めようと考え始めた。早速、その友達を家に招待して、お話を聞いてみようと村下が告げた。その週の日曜日、奥さんが、友人を連れてきて、単刀直入に転勤になるので、この家を売りたいと言う話を切り出した。それを聞いて奥さんの友人は、やっと仲良くなれたのに別れるのは残念だと言った。

 それで、いくらで、お売りになるつもりなのですかと言ってきた。4500万円では、どうかと思っていますと答えた。欲しいと思ってはいるのですが、奥さんの友人の女性1人では、交渉できないので親戚の人が、信用金庫で働いているから相談してみると言う話になった。翌日の晩、電話が入り、今週の日曜に、親戚の人と二人で相談に伺いたいと言うので了解した。


 親戚の方が、家の中を拝見させてから、お話すると言う事で、良いですかと、聞くので、もちろんとOKと答えた。まず、一階、次に二階、次に、玄関周り、庭と、庭に建てた自転車の屋根付き駐輪場と物置と一体になった大きめの倉庫。庭用の水道と外の電源、水道などを見せて回った。彼は、さすがに、SKSハウスのモデル住宅であり、うまく造ってありますねと語った。

 大家族向きで、彼女には、うってつけかもしれませんねと言ってくれた。築6年、経ってる割には、きれいに使っていますとも言われた。また庭のプルーンの木には、驚いていた。この木はどうしたんですかと聞くので、女房の会社の友達の農家さんから、いただいたんですと答えた。
毎年、食べきれないほど、実が取れるでしょうと笑顔で話した。

そこで、もちろん沢山の実が、毎年、取れて、段ボールの箱に2つ以上は、毎年、取れますと答えた。でも害虫の駆除が、大変なんですよねと、笑いながら話した。えー、大変ですと答えた。その後、珈琲を飲みながら、実務的な話に移った。親戚の方から仲介業者を通すと、売り手5%、買い手5%の売買手数料が、かかると言われた。

 そこで、誰か、不動産業者を知りませんかと、村下に、切り出した。それに対し、以前、PTA会長をさせられた時、知り合った松本市内で不動産屋を経営してる友人がいますとい答えた。その人に、安く仲介してもらう様に頼んで下さいと言われたので、快く了解した。村下が売値は、4500万円ですと伝えた。

 次に、女房の働いていた会社の友人と聞いたので、200万円を値引きして4300万円で結構ですと伝えると、もう少し安くしていただけませんかと言った。なんとかOK出したいが、村下の友人の不動産屋さんや買いを希望されてる本人と、もっと相談して、結論出したいからと、伝えた。

 女房友人の未亡人が、来週の日曜日までに結論出しますので宜しくと言って帰っていった。ところが二日後、買いたいと言っていた、未亡人の女性が、突然やって来た。そして、村下の奥さんに向かって、是非、買いたいと思っているので、何とか、手持ちの保険金4千万円で、売ってくれませんかとと切羽詰まった、顔で言い出した。
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