第3話:英会話教室での出来事

文字数 1,600文字

 春に、松本に来て1年が過ぎて、やっと慣れた頃、信州大学で、若手の君島先生が、英語で文献を書いたり、海外の学会の為に、英語を習っているというのを小耳に挟んだ。村下も英語は好きで小さい頃、牧師の息子と遊び回った記憶が思い出された。そこで、また英会話を習ってみたいと思い、駅前のGOSを見に行った。

 若い人、特に女性が、多く華やかな感じだった。ビルも新しく景色も良かった。そのため早速、入学の資料をもらった。その後、会社の仲間に週に1回、通う事を、打診したら、至急の時に、連絡を取れるようにしてくれれば、良いですよと言われた。そこで、来月から行く事した。
 
 仕事が比較的、暇な木曜日の夜、七時から八時のコースを選択した。もし都合が悪い場合、その後、3ヶ月以内に、振り替えも、可能で便利だった。最初に、クラスを分けのテストを受け、Aクラスに入る事になった。

 メンバーは、5人で、銀行の勤めの女性「聖子さん」、女子大生「さゆりさん」、元商社マンの「清水さん」と、TOEIC大好き、30代後半の主婦「牛島さん」と村下。最初は、緊張して、しっかり勉強していた、しかし、少し時間が、達つと、慣れてきたせいか、飲み会が多くなり、月1回位のペースで、参加する様なり、回数が増えていった。

 その後、新年会、忘年会、納涼会、お花見、歓送迎会と、毎週のように出かけた。ある時の飲み会に、何と違うクラスの信州大学病院の君島先生が来ていた。彼は、みんなに、自己紹介し、村下にも、会釈して席についた。村下が、彼に、仕事の話は、内緒と軽く耳打ちした。その店は、清水さんの利用してるスナックで、カラオケと少し踊れるスペースもあった。

 メンバーは女子大生以外は、全員、来ていた。全員で5名、清水さんは、例によっていろんなうんちくを話ていた。すると牛島さんと聖子さんが、流行歌を歌い始めた。最初は、ビールで乾杯。その後、清水さんがウイスキーと焼酎のボトルがあるから飲み放題だと言ってくれた。村下は、清水さんに、お礼を言って、ウイスキーを飲み始めた。

 そして仕事の関係で、今年から、松本を中心に仕事するんですが、素敵なママのいるスナックを紹介して欲しいと、清水さんに相談した。清水さんに業種を聞かれ医薬品メーカーというと安っぽい所は、だめだよね。ちょっと難しいなと言い、この店のママにでも聞いてみたら、と言うことになった。

 ママに、手が空いたら来て欲しいと伝えた。 少しして、ママが来て、「ゆかり」ですと挨拶した。さっきの話を清水さんがしてくれた。安っぽくなくて、それでいて同業者があまり来ない店ね。ちょと待ってと言い、ノートを持ってくるからと言い、すぐ戻ってきた。そして、一番にぎやかな通りでは、同業者が多いからダメ。

 ちょっと離れていて、駅にも近く、タクシーも捕まる所ねと言い、ノートをめくって、はるみちゃんの店なんか、良いかもしれないと言った。そして、実務的な話になり「ツケ払い」それとも「現金かカード払い」と聞くので、現金支払いと答えると、それなら良いわと言い、早速、その店に電話してくれた。

 そしてママが、自分の名刺を村下に渡した。そんな話をしていると君島先生が、ちゃっかりと、聖子さんと牛島さんの席の間に入り込んで、うれしそうに話し込んでるではないか。その後、君島先生が、イーグルスの、デスペラード、ホテル・カリフォルニア、ビートルズのレット・イットビー、サイモントガーファンクルの曲を、立て続け歌った。

 特に、独身、女子銀行員の聖子さんは、君島先生の姿をうっとりと見ているのが、とても微笑ましかった。やがて、お開きになった時、はるみママが、ちょっと待ってと言った。少しすると、後は店の子に頼んだから、紹介した店に一緒に行こうと言う事になった。面白そうだから、私もついて行って良いかと清水さんが聞くので、ええ、もちろんと答えた。
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