第6話:サリー先生とのつき合い

文字数 1,547文字

 さて話は変わるが、GOS英会話教室に、10月から新しい先生が赴任してきた。その人は、カナダ出身のサリー先生で、長身で細身の美人。数日後、彼女の歓迎会を近くの居酒屋で行った。活発で、お酒も強く、明るいタイプだ。調子にのって二次会に誘うと、ついてくると言うので、スナック中町へ行った。

 ゆかりママは、びっくりして、目を丸くして出迎えてくれた。2次会は、清水さんとサリーと 村下の3人だけだった。サリーが、アバが、好きで、何曲も歌ってくれた。声も、きれいで上手かった。そしてかなり打ち解けたのか、彼女の身の上話まで、話し始めた。彼女は、訳あって、カナダで好きだった男性と別れて、日本に来たという。

 もう少し、詳しく、聞いてみると彼女の恋人は、185センチ100キロ以上の大男で、悪い人ではないのだが、飲み過ぎると喧嘩をするのが欠点だったようだ。ある日、地元のパブで、喧嘩をして、相手を入院するほど殴ってしまい監獄送りになったと言う。これには、さすがに、びっくさせられた。 

 ところがゆかりママが、その気持ちよくわかると、言い出して、意気投合してしまった。そして、また悩み事があったら、村下さんに、連れてきてもらってねと言った。サリーの連絡先まで、聞いていた。また辛い事が、あれば、電話していいよと言ったのである。そして、ゆかりママの英語が、上手なのに驚かされた。

 英語が上手になった訳を聞くと、ゆかりママが、昔、横浜で、米軍の若い兵士と仲良くなって、結婚を夢見た。しかし、その彼が、米国に帰ってから戻らなくなり音信不通となった苦い経験をしたと悲しそうに語った。その時の辛い経験が、サリーの気持ちに共鳴したのだ。その後、サリーは、ゆかりママと、2人で、長々と話していた。

 サリーは、よっぽどうれしかったのか、最後は、ママーと連呼して泥酔してしまった。仕方なく、村下と清水さんでタクシーで、彼女を、アパートまで送った。村下が、彼女を肩に担いで、清水さんが、鍵を開けベッドの上に下ろして、帰ってくる羽目になった。翌日は、サリーは、体調不良と言うことで、英会話学校を休んだそうだ。

 11月、12月になり、急に寒くなった。今年も、大晦日を迎え、年が明けた。松本に赴任の1年目は、業績は、あまり良くなくて、年収が、630万円まで減ってしまった。この仕事は、売上が落ちると収入が減る哀を感じた。しかし、悔しさと共に、来年こそ、長野県を売上を増やすぞと、ファイトがみなぎる村下だった。

 翌年の新年は、近くの神社に、家族で、初詣をした。長女は、スキーがうまくなります様にと、祈ったそうだ。奥さんは、村下の交通安全と家族の安全を祈ったとの事。村下は仕事が、うまくいくことを祈った。昨年、県内の営業担当者が、全員、初出勤の日に、長野の善光寺で、初詣をしたが、今後、これを恒例行事にする事に村下が、決めた。

 長野県内の各営業マンに連絡し、10時、善光寺で待ち合わせた。その後、全員で、善光寺の本殿で、お参りをした。その後、参道のそば屋で、一杯飲みながら、今年の抱負を語りあった。若手は、今年の目標達成と、特に指定した対象品の売上を伸ばしたいと目標が、具体的だった。

 村下は、営業成績コンクールで全国トップになって東京支店長か営業本部長と、長野県チーム全員で上山田温泉で芸者さんつきの派手な宴会をする事を目標にしたいと檄を飛ばし、会議を締めくくった。14時過ぎ、お開きにして、流れ解散する事となった。

 村下は、善光寺前のうまい酒まんじゅうを自宅へのお土産に買い込んで帰路についた。そして、今年も、営業活動開始となった。その後、得意先に、新年の挨拶を一通り、終えた。今年も4月が過ぎ、5月になり女鳥羽川沿いで、花見を楽しんだ。
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