第12話:柳生敏夫の心臓問題と気候変動と欧州危機

文字数 1,574文字

 2009年、1月22日、80歳を超えた父が心臓の具合が悪いと言い、近くの大学病院に連れて行って診てもらうと心臓の動きが悪い事が判明。ペースメーカー手術をする事になり、5日間入院して、心臓の動きを正常化するペースメーカーという小さな機械を心臓に取り付けた。これによって、父の心臓の具合は戻った。

そして、以前通り調子の良い時には庭仕事をしたりするようになりひと安心した。その後、少し暖かくなったので熱海温泉に3日、母と一緒に行って、ゆっくりしてもらった。小田原から見る雪をかぶった富士山を見て両親とも目を輝かしていた。そして熱海温泉の家族風呂で両親で入り、雑談をしたらしく風呂から上がって、お茶を飲みながら昔の話を語った。

 それは、柳生敦夫の奥さんの父が飲んだくれて、暴れていて、それを仲裁した事。梅子さんの母が、死んだ時、貧乏で葬式も出せなくて見るに見かねて葬式を出してやった事。その後、梅子さんを家に引き取って商業高校へ出してやった事など、まるで、昨日の事の様に鮮明に覚えていた。そして息子の敦夫が、梅子と結婚式を挙げた時のうれしさ。

 結婚式の時のスピーチなどを事、細かく覚えていて、話してくれた。この話を置きいて、梅子は、本当に救われましたと涙ぐんだ。やがて夏になりエアコンの効いた部屋で、両親は、ゆっくりとテレビを見て、お茶を飲んで生活をしていた。そして欲しい物を聞いては、敦夫と梅子さんが、近所のスーパーマーケットに行って食料品、医療品などを買ってきた。

 この頃、自宅から車15分の所に素敵なスーパー銭湯ができて両親が気に入って通い出した。週に2回、敦夫が両親をそこへ送り迎えした。秋になって父の顔の血色が良くなり体調も回復したようで敦夫も安心した。やがて、2010年を迎えた。まず最初に飛び込んできた大きなニュースは、日本航空の倒産の話だった。

 日本航空が1月19日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻した。負債額は約2兆3000億円と事業会社では過去最大。京セラ創業者の稲盛和夫氏を会長に迎え、政府が出資する企業再生支援機構の下で再建を目指している。事業規模を3分の2に圧縮するとし内外45路線からの撤退やグループで約1万6000人の人員削減など抜本改革に着手。

 しかし、なかなか、労使会談で、決着がつかず長引いた。その後、パイロットや客室乗務員の退職数は目標に届かず、最大200人を整理解雇する事になった。更生計画は債権放棄に応じた銀行団などの合意を得て11月末に確定。支援機構は公的資金3500億円を出資。最貧国であるカリブ海のハイチで1月12日午後17時前、マグニチュード7の強い直下型地震が発生。

 ハイチでは、推定25万人が死亡し、20世紀以降最悪の震災となった。震源は首都ポルトープランス近郊。被災者は人口の3分の1に当たる約370万人と見積もられている。今も130万人以上が劣悪な環境下で避難生活を強いられている。10月には追い打ちをかけるようにコレラが大流行し、2000人以上が死亡した。

 4月には、欧州債務危機が拡大し、ユーロに懸念が生じた。欧州16カ国で構成されるユーロ圏では、財政赤字急拡大に見舞われたギリシャが5月、アイルランドも11月に欧州連合「EU」や国際通貨基金「IMF」などの緊急融資を仰いだ。その後も信用不安は、ふっしょくされず、ポルトガルなど南欧諸国への波及が懸念されている。

 金融危機をきっかけに財政が悪化した一部ユーロ圏諸国では、国債利回りが急上昇。中でも、財政赤字統計の大幅修正を繰り返したギリシャと、銀行危機に陥ったアイルランドが市場の信頼を失い、支援要請に追い込まれた。危機への対応をめぐり各国の足並みの乱れも明らかになり、欧州単一通貨ユーロは円や米ドルなど主要通貨に対して急落した。
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