第20話:母がクルーズに感動

文字数 1,696文字

 4月14日、月曜に橫浜港を出港し、4月15日、火曜に名古屋、4月16日、水曜日に大阪、18日、金曜に那覇、19日、土曜に台湾の基隆、22日、火曜に、橫浜港に帰って来る。クルーズ船はダイヤモンド・プリンセスというイギリス船籍でアメリカのクルーズ会社の日本支社が運航する115875トンのクルーズ船でした。

 2014年4月14日、月曜の1日目のディナーの時でした。デザートになって初めてお会いする皆さんとも楽しくお話が出来るようになっていた頃、突然家内の前にローソクを灯した10cm角位の四角いバースデーケーキに船長からのサイン入りのバースデーカードが添えられて置かれた。その後、数人のスタッフ・ウエイター達が、ハッピー・バースデー・を唄い出した。

 その他、数日後のディナーの時、今度は同じテーブルの1組のご夫妻の前に、同じデコレーションケーキとカードが置かれました。当のご夫妻は何事か分からず目を丸くした。スタッフに「ハッピー・アニバーサリー!」と云われても狐につままれたような表情。「ハッピー・ウエディング・アニバーサリー! コングラチュレーション!」と言われても、ぽかんとしていた。

そのため、テーブルのお仲間達が拍手喝采で、大笑いとなった。実は、この日が、ご夫妻の結婚記念日だった。ご夫妻は、何ゆえに、結婚記念日が、判明したのだろうと不思議がり、テーブルはひとしきりこの話題で持ちきりだった。こんな事があったのでテーブルのお仲間達とは一気に打ち解け合い、毎晩顔を合わせるお仲間達との話題が楽しかった。

 そのため夜になるのが待ち遠しい程だった。フォーマル・ナイトの時は、必ずインターナショナル・ダイニング入口の近くでドレスアップした人の記念撮影。クルーズ中、運良く晴れだったので、朝食はいつも航跡を見ながら14階のビュッフェのオープンデッキで爽やかな潮風を感じながら食べた。

 ここでは仲良しになった日本人女性のスタッフがいつもジュースなどの飲み物やコーヒーを持って来てくれた。ダイヤモンド・プリンセスの船首は薄く口をひらいた鳥のくちばしのようで、他の船では見掛けない形の船首なので以前から気になっていた。12階アロハデッキの船尾にあるプール・テラスから船の長い航跡を見ていると心が和んだ。

 女房もお気に入りの場所。ダイヤモンド・プリンセスはイギリス船籍の船なので、寄港地に入港する時はこのフラッグポールにイギリスの船舶旗「赤無地の旗の左上角にユニオンジャック」が掲げられました。16階、船尾のオアシス・デッキから15階、から見た長い航跡で、海と航跡の透き通るようなブルーが息を呑むほど綺麗だったた。

 那覇からは、遠い、次の寄港地の台湾・基隆に翌日寄港のためか、午後15時に出港で14時半には帰船指示と滞在時間があまりにも短いので、那覇の観光ができなかった。シャンパンタワーにシャンパンを注ぐカップル。那覇を出て、基隆に向かう途中の20日、日曜のフォーマル・ナイトのアトリウムではシャンパンタワーのイベントがあった。

 アトリウム吹き抜けの手摺や階段には沢山のドレスアップした人達が多く、シャンパンタワーにシャンパンを注ぎたい人達の順番待ち人の列が長かった。クルーズ、最後の夜のディナーの時、デザートの頃シェフやスタッフ達がローソクを灯したデコレーションケーキを捧げ持ち、大きなハンカチを振りながらピアノの横で歌う男性歌手の歌声に乗って客席の間を練り歩いた。

 そして、各テーブルの客たちも自分の白いひざ掛けを振りながら、歓声を挙げて。パレードを迎え、ダイニングは沸き上がり、感動的なシーンが繰り広げられた。やはり最後の夜、21時半からは、アトリウムでバルーン・ドロップ・パーティーが催された。吹き抜けの上部にはネットが張られ色とりどりの風船がぎっしりと積まれた。

 アトリウムの広場や吹き抜けの階段には、多くのお客さんが、見上げる中、カウントダウンとともに、無数の風船が、一斉に、お客さん達の頭上に、落ちて来た。皆でその風船を突き上げたり突き飛ばしたり両手で捕まえて割ったりの大騒ぎとなった。 
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