街灯の上

文字数 362文字

立体駐車場の檻が、
光が差す、ピンク色の掃除機で
飛び乗れば、後は飛び込むだけだと、
微かに震えて、助けを呼ぶ、見つかったらおしまいだ
子供たちになった、気分で、歌う
夜空の星が、迎えにくるから、
今でも抱き続けたものは、

テーブルの上に散らばる紙屑に
ボールペンで描いていた
リュックサックが、呼んでいる
何もないから、
ただ時だけが過ぎていく
なんだかこんなものじゃ、
欲しかったのは、違うんだと、
呟いた午後の静寂に
夢見る建物の谷間を

踊る万華鏡の風景に
部屋で開く音楽は鳴る
結局、大したものはなく、
散らばったものを集めて、
作り出す輪郭を
今日も、疲弊した草木に看取られて
時間が飛び越えていく
満たされているはずなのに

描くのは、
画面の奥の人形を
抱かせる、無機質な音声に
纏わりつく、痺れに飽き飽きしながらも
夜の街を誰かが照らす
その中を進んでいけば空欄だった
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