森の中

文字数 453文字

森の中を彷徨う
風景の中に、置き去りにしてきたものを求めて
理由は、汚れた服を通り過ぎていく
木々が風に揺れ、午後の日の光が辺りを照らす
壊れたのに、またもう一度やってくるのも奇妙なものだ
憎しみは、木々の隙間を縫って、
次第に惨めに収束していく
湖があったので、
僕はこの世界にはいない
透明になっていく体、嫌になる、いつまでも続いていく
なんであの時の選択が、こんなに心を苛み続けるのか
水面は幻想的に揺れていた
目を閉じれば、あなたのことが蘇る
僕は様々なことを思いながら、
会えないことを知る
進んでいく風景は、いつまでもそこにあったわけではなかった
湖は消え去り、そこは木々になっていた
光景は幻だったので、
疲れた体を引き吊っていく
もうじき日が暮れる
流れていた歳月が静かに蘇ろうとしていた
ただ土を踏む感触が
忙しなく胸を揺さぶる
古い音楽のように、
落ち着きのある平穏の裏では
今日も、様々な出来事が存在している
きっと、あの場所にも、
数々の思いがあるのだろう
いつまでも未完成な、
先の折れた鉛筆のように
文字を書いていく
いつか見る夜を想像して
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