下水管

文字数 737文字

それはビルの狭間のなんか落ちている昔の友人。だけれど、描いたものはまばらで、構築された体は、叶わない。いつの間にか、底に流れる下水管のような感覚で歩いた地続きの道。結局、会うことはない、想像は超える。敗れた無意味さにすら気が付かないのか、それが定めで。上手くいったなら、淡い感情に変わる。お前も見ているのだろうか。

植物の群れが羅列するような、今では興味はなく。ナイフがあったら、突き立てる、虫の声に苛まれる。描き出したのは、幻想で、薄っすらとなり、今日も謙虚さの裏側にある、下に向かっていく。コオロギを思い、脳内で踏みつぶす。あいつは、誰か。

先へ進んでいくと見えてくる間違ったものに、もう疲れ果てたから、死ぬこともなく。落ち込んでいることすら、間違っている、もう何もないから。でも透明になっていくので、いずれ死に至る。

見えなかった後姿に、医師の面影と、テーブルに座る人々。惨めな落胆すら、自分で選択している矛盾に、意味を付けたそうとする。繰り返していく欠片が、もう終わったから、そう、終わりでいい。今なら手にすることも叶う絶望の最中にいるのも奇妙だ。

弾き出した群れの中で、なぜか汚れたまま、浮上している矛盾を抱えて、今日も蝋燭を燃やしていけば、無意味な文体が浮かぶ。見えているなら共感してくれるし、見えていないなら、操ることができるので、今日も視点に従うのもいけないことか。もう疲れて、退廃したのは誰だったか。靴の裏で、言葉すら言えない。滲んでく血の色に導き出したもの。

歩いていた日々は、どうせ、神経毒に苛まれていて、どんな形だろうと、何かしら抱えるのだから、諦めて、数十年を待つ。消えた先に何があるのか、知らないが、今日も酒の酔いで、立ち上がり、ほんの少しずつ消していく。
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