暖炉

文字数 334文字

このまま、消えたら、
暖炉の火が燃える
窓の外は雪が降り続いている
積もった雪はそこから動こうとはせず、
ただ押し寄せてくる
悲しみの雪が窓を伝う
部屋の温度で、静寂のまま、
あなたは隣で微笑んでいるが、
僕には理由がわからない
暖炉の火の光が、
部屋の中を照らしている
薄暗い外は、
もうじき日が沈む
夜になったら
この火を頼りに、
この部屋で過ごすことになる
悲しみが覆いつくす前に
薪をくべる
時間は穏やかに揺れながら過ぎていく
記憶の中を探索して
何もない部屋と
あなたの面影だけが残った
ここに誰かが訪れることはない
家の軋む音が微かにする
結局、孤独の中で、
そこから抜け出そうと、
外を歩いたのは
いつだっただろう
過ぎていった風景が
季節を告げる
夜がやってくる
カーテンを閉めると
ランプを付けて
部屋の中を照らした
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み